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下野です。

「『医界之鉄椎』を不定期ですが
紹介していきます。」と
以前に書いておりましたが、
全然これといった内容をご紹介出来ずでした(^_^;
読み進めていくうちに
僕がここで書いてしまい、
著者の思いが軽くなってはいけない
書物だなと思い、記事にすることを避けてきました。
この書物は、
ご自身で読んでその思いを
感じとって頂くものだなと思います。

ただ、
鍼灸師や漢方を学んでいる方で、
学術的な内容を学びたい
と言う方には正直向かない書物だと思います。
実際、著者の和田啓十郎先生も
「この書物は概論、総論だ。各論ではない!」と
書かれており、
治療方法を紹介するのではなく、
漢方(東洋)医学と西洋医学の違い、
漢方は理路整然としている、
漢方はこう言った病気も治せるんですよ
等々・・・
当時排斥され、衰退していた漢方(東洋)医学の素晴らしさを
世間の方々に知ってもらおう、
復興させようとして出版したものです。

和田先生は、
四十五歳という若さで亡くなりましたが、
この書物を読んで感銘を受けたのが
湯本求真先生であり、
和田先生の思いを引き継いで『皇漢医学』を出版し、
更にその書物に感銘を受けたのが
大塚敬節先生であります。
大塚先生と柳谷素霊先生(鍼灸)らが
日本漢方医学会を結成して、
東洋(漢方)医学復興運動が起こり、
現代に続くという流れになっており、
それを思うと
和田先生の『医界之鉄椎』がなければ
現在 日本に漢方、鍼灸というものは
無くなってしまっていたのではと考えてしまいます。
(大袈裟かもしれませんが。)

長々となってしまいましたが、
冒頭に書いたように、
興味のある方は読んでみて下さい。

下野


参考文献:
『完訳 医界之鉄椎』 たにぐち書店

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