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こんにちは、大原です。
黄帝内経の霊枢は「鍼経」とも呼ばれ、
鍼についての技術的なテクニックではなく、
鍼を行う上で必要な知識(例えば経脈の流注など)や
心構えが記されています。
その霊枢の最初である「九鍼十二原篇(第1)」で、
技術の未熟な医家(いわゆる下工)と、
高度な技術をもつ医家(いわゆる上工)とを
比較する記述がありました。
麤(そ)守形、上守神。
麤(そ):あらい、粗雑という意味で、
ここでは技術の未熟な医家を表す。
それに対して、その次の「上」が、高度な技術をもつ医家を表す。
これは、「麤は形を守り、上は神を守る」と読みます。
意味としては
「下工はただ見た目の形にこだわり、
上工は形ではなく、
病の原因や、病から回復していく正邪の盛衰といった、
症状の原因、治療後の変化に着眼する」
ということだと思います。(↑大原解釈です。
ここでの「神」はいろいろな解釈があるかと思います。)
また、この記述のすぐ後には、
鍼をする段階においての内容とみられる記述があります。
刺之微、在速遅。麤(そ)守関、上守機。
この記述も、下工と上工とを比較したものですが、
「関」、「機」の解釈をどうすれば良いか
考えどころかと思います。
その前の記述に、
「鍼の微妙さは速い遅いに在り」とあることから
「機」とは鍼をする微妙なタイミングや加減を
あらわしていると思います。
そのまま「鍼をする微妙な機」ということでしょう。
それに対して、文脈から、
下工の「関」とは
鍼をする場所(経穴など)ということでしょうか。
すなわち
「下工は鍼をする場所にこだわり、
上工は鍼をする機をとらえる」ということになります。
この「機」については
まだこのあとも記述が続きます。
次回に続きます。
参考文献:
『黄帝内経 霊枢 上巻』 東洋学術出版社
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ぜひ参考文献を読んでみて下さい。