【勉強生募集】
①勉強生 ②受付スタッフ
を若干数募集中です。詳しくはお問い合わせ下さい。


葉っぱになりきる
葉っぱになりきる

見事に演じきっております。
バレバレですが(笑)

※カエルが苦手な方は画像をクリックしないで下さい※

こんにちは、本多です。
桂枝加葛根湯の続きです。

前回までの記事は↓こちら。
桂枝加葛根湯①
桂枝加葛根湯② 

前回に続き、
腹證奇覧の桂枝加葛根湯の原文を抜粋しています。


桂枝加葛根湯

抑、近世古方ンニレルニヨリ
ラカニセズ、風邪感冒ニアエバ
輙、葛根湯トシテ、誤治スルモノ往々コレヲ
余、其ウルニ、大率、黄耆桂枝湯ウベキモノ
瘀水ウノウルニヨリ
益々、
陽気リヲナカラシム
邪気去ラズシテ、反ッテ壊證ヲナス所以ナリ
ワク
「太陽病、汗無クシテ小便反ッテナク

気上ッテ、口噤ミテルヲ、剛痙ントスルハ
葛根湯之。」
亦、無汗ニシテ小便反ッテ
水気去ナキッテ、痙セントスルナリ
反張(反ニテ、産後若シクハ刀傷瘡口等ヨリ
水入ルトキハ、亦此スルニテ、表水ストコロナルルベシ
レヨリシヒロメテ、疥癬・内逼シテ水腫スルモノノイテアルコト
皆一帰趣ニシテ、瘀水ニシ
気血和解スルコトヲルベキナリ


腹證奇覧の原文には
金匱要略の
桂枝加黄耆湯と葛根湯についての記載がみられます。

桂枝加葛根湯を用いるべき場合に、
葛根湯を用いて誤治することがよくあり、
もし誤治した場合は桂枝加黄耆湯を用いるべきなのに、
更に葛根湯を使用し続けた場合、
陽気を損傷してしまい、
邪気をはらうことができずに、
症状が治るどころか
反って壊病(誤治により病態が崩れる)となる。
とあります。


黄耆(おうぎ)

黄耆
黄耆

マメ科のキバナオウギ、ナイモウオウギなどの根。
性味:甘・温

帰経:脾・肺

主な薬効と応用:
①補気昇陽:脾肺気虚の元気がない・疲れやすい・無力感、
食欲不振・息切れ・自汗・泥状便などの昇降時に用いる。

②補気摂血:気不摂血による血便・不正性器出血・皮下出血などの症状時に用いる

③補気行滞:気虚血滞による肢体の痺れ・運動障害・半身不随などの症状に用いる。

④固表止汗:表虚の自汗・盗汗時に用いる。

⑤托瘡生肌:気血不足のために癰疽瘡瘍(皮膚化膿症)の化膿が遅い、
排膿しない・潰瘍を形成する・滲出液が続く・傷口が癒合しないといった症状時に用いる。

⑥利水消腫:気虚の水湿不運による浮腫・尿量減少などに用いる

備考:性質が温昇で助火し補気固表するので、
表実邪盛・裏実積滞・気実胸満などには用いない。


桂枝加黄耆湯
桂枝湯に黄耆を加えたもので
調和営衛通陽袪湿の効能がある。

桂枝湯で営衛を調和して
黄耆は益気固表、袪湿の効能があるので、
湿を除き衛気を固めることができます。


原文の、
證に曰わくとは
金匱要略での記載をあらわします。

證二云ワク、
「太陽病、無汗、而小便反少、氣上衝胸。口噤不得語、欲作剛痓、葛根湯主之。」

太陽病で無汗、小便が反って少なくなり、
上焦に気が衝き上げたもの。
「口噤」は口が開かず、
そのため会話ができないことをあらわし、
痓とは筋肉の異常緊張を伴う状態で、
剛とは程度の大きいことなので、
破傷風による
角弓反張 (かくきゅうはんちょう)の状態であると想定されます。
これらの症状に葛根湯が用いられるという記載になります。

ただし、
角弓反張だけではなくて、
喋れない程に筋肉が緊張してしまった場合に
葛根湯を用いることができます。


参考文献:

『漢方概論』 創元社
『腹證奇覽』 盛文堂
『腹證奇覧 全』 医道の日本社
『傷寒雑病論』
『傷寒論を読もう』 東洋学術出版
『症状による中医診断と治療』 燎原
『中医臨床のための方剤学』
『中医臨床のための中薬学』 神戸中医学研究会

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here