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赤松を育てる
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こんにちは、本多です。
前回の続きです。
前回の記事は↓こちら。
桂枝加葛根湯①

前回に続き
桂枝加葛根湯の原文を記載していますが、
桂枝加葛根湯の流れから
今回は葛根湯についてです。

以下、
前回記載した箇所の続きを抜粋しています。


桂枝加葛根湯

コノ葛根湯、無汗ヲイフモノハ
肌表瘀水アリテソレガ腠理閉塞シテ
ベキ門戸ナキヲ、汗ルコトナキナリ
麻黄腠理アルユヘ、此瘀水トナリテザルナリ
下論
太陽與陽明合病者必自下痢。葛根湯主之。
コノ合病トイフハ、両證ヲアラハシタルコトニテ、凡太陽トスルユエ
腹中ハアルマジキニ、今、項背強、無汗、惡風アリテ
又自下痢スルモノハ、此下痢太陽病トスベカラザルヲ、陽明トスルナリ
ユヘニ合病必下痢スト、必タリ
サレドモ、陽明病正證トスルトコロハ
胃家ニシテ大便鞕、若不通モノナルニ
自下痢陽明トスルトセバ
此下痢、固胃腸衰溜滞スルトコロノニアラズ
ニヨリ、肌表ニアルトコロノ瘀水、裏下痢トナリタルモノユエ
下利ニカヽワラスシテヤハリ表證トシテ
麻黄瘀水ニシサレバ、下利自止ベキヲ以、葛根湯ウユ
是此下痢熱勢ニヨルモノナルヲ以、之陽明シテ合病トスルナリ
又曰、太陽與陽明合病不下利。
但、嘔者、葛根湯主之。
コレモ合病トスルユエンハ
ジコトナレドモ、其下利スベキモノ
上逆シテスルユエ但、嘔トイフナリ
、嘔吐下利フタツナガラアレバ
全表水バカリノニアラザルナリ
此證前リスルモノヨリハ、一等劇モノナリ
スルニ、其熱ミナニセマルトコロアルヲ
陽明ムモノトスルナリ
レニテ、桂枝湯葛根湯カニ無汗一證ニシテ
水氣有無カルコトヲウベシ
是乃葛根湯一方トシテ、其方意異所以ナリ


桂枝加葛根湯の証で無汗のものは、
葛根湯を用いる必要があり、
葛根湯は桂枝加葛根湯に麻黄を加えた方剤になります。


麻黄(まおう)

麻黄
麻黄

マオウ科のシナ麻黄の茎。

性味:温・辛・苦
帰経:肺・膀胱

主な薬効と応用:
①発汗解表:外寒風寒による
悪寒・発熱・無汗・頭痛・身体痛・脈が浮緊などの表実証に、
発汗を強める時に用いる。

②宣肺平喘・止咳:外邪による肺気不宣で
呼吸困難や咳嗽が出る時などに用いる。

③利水消腫:表証を伴う水腫などに用いる。


葛根湯について、
傷寒論による記載は以下の通りです。

「太陽病、項背強几几、無汗、惡風、葛根湯主之。」

前回記載した、
桂枝加葛根湯と類似していますが、
葛根湯の場合は
「太陽病、項背強几几、無汗、惡風」です。
桂枝加葛根湯の場合は「無汗」の箇所が「反汗出」となっており、
汗が出るか出ないかの違いにより
使用する方剤が異なることをあらわしています。

桂枝加葛根湯は表疏営泄に対して、
葛根湯は表閉営欝になるので、
汗を出させる必要があります。

桂枝加葛根湯は開ききった毛竅を閉じる作用がある。
葛根湯は閉じて塞がった毛竅を開く作用がある。
とするとわかりやすいと思います。

また、
傷寒論には、

「太陽与陽明合病者、必自下利、葛根湯主之。」

上記のように、
太陽病と陽明病の合病の場合でも葛根湯を使用するとの記載もあります。

この場合の病機は、
太陽と陽明の表が閉ざされ中で
邪気と正気が争うことで
熱を外に漏らすことができなくなり、
その熱が陽明大腸経に下迫したために、
下痢がひきおこされます。

この時の葛根湯の作用は
太陽と陽明の肌表を開くことを目的とします。

続く


参考文献:

『漢方概論』 創元社
『腹證奇覽』 盛文堂
『腹證奇覧 全』 医道の日本社
『傷寒雑病論』
『傷寒論を読もう』 東洋学術出版
『症状による中医診断と治療』 燎原
『中医臨床のための方剤学』
『中医臨床のための中薬学』 神戸中医学研究会

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