【カテゴリ】現在、鍼灸師になる為の学生である
【タイトル】 鍼灸師になって良かった事
【相談日】2016/4/7
【相談内容】以下に続く。

現在、鍼灸マッサージ科3年生で、20歳です。

私は高校を出てすぐに専門学校に入りました。

鍼灸学校に進もうと思った理由を話します。
私は高校卒業と共に部活動をやめたいと思っていたのですが、
多くの著名な大学の推薦をやめたいなんて
理由だけで断ることができなかったので、
とりあえず鍼灸師になりたいから…言ってしまいました。
当時は組織の圧力で精神も病んでいたので、
そう言うしか抜け出す道がありませんでした…

専門学校に入り、
勉強とは無縁の人生だった私は
必死にもがいて三年生になりました。
しかし私は、鍼灸治療に感動はしますが、
どうしても自分がやりたいという興味が持てないのです。
学校ではこの業界で、
鍼で食べていけるのは一握りだ!
勉強をしないとライバルに勝てない!などと
脅すようなことばかりで、
先生の話を聞いていても
鍼の楽しさややりがいを少しも感じられません。
おそらく全員が興味を持っていると思った上で
業界の現実を教えてくれてるんだと思います。
それも、危険かつ不安定な職種であるので当然だと思います。

学校に入れてくれた両親をはじめ、
やる気を持って入学してきたクラスメイトや
現役鍼灸師の方々には申し訳なくて頭が上がりません。

もうすぐ国試があります。
奨学金ももらっています。
もう、引き返すことができません…

せっかくここまで必死に勉強してきて、
ギリギリ3年生になり、家族に負担をかけお金を出してここまできました。
簡単にこの業界を諦めたくありません。
私が思うよりもっと素晴らしい、
人を惹きつける魅力がある職業だと信じています。

どうか、鍼灸師になって良かったこと、
鍼の楽しさややりがい等、なんでも良いので教えてください。

〜Sさんより〜


林

僕から提案ですが、
一度、一鍼堂の現場を見に来ませんか?
恐らく、これまで見たことのない世界を体感出来ると 思いますよ。
あなたぐらいの年から修行に来ている者、
先輩にあたる者の視点の先、希望と苦悩など、 すべての姿がそこにはあります。
個人的には学生さんが中々知ることの出来ない世界をだと思います。
そういった現場を触れて実際にどう思うか、ですね。
経験上、 環境で人は価値観がいくらでも変わると確信しています。
いかがでしょうか。

 

下野
下野

「鍼灸をやっていく中で、
楽しいことよりも苦しい事の方が多いです。
ただ苦しいことが多い分、
苦悩して試行錯誤し、
治療というものを通して、
新たな発見と出会えることが
鍼灸師として楽しく思います。

勿論、治せることは嬉しいですし、
少しはお役に立てれたなと思いますが、
(これは当たり前の事だと考えていますので。)
その発見が、
他人にないものであれば、
尚更 嬉しいですし、面白いですね。

正直何言ってんだと思われるかもしれませんが、
私からの回答とさせて頂きます。」

 

為沢
為沢

「Sさん、御相談内容拝読させて頂きました。
鍼灸師になって良かったこと、鍼の楽しさ、やりがいですか。。
それを今のSさんに伝えたところで、
Sさんの心に響くのかなと内心疑ってます。

と言うのも、厳しいこと言いますが現時点でも、
楽しさ・やりがいを感じることができないんですよね?
”鍼灸は厳しい世界だ” と学校の先生方は仰っているわけですが、
捉え方によっては、
”お。本当にそんな厳しい世界なんか知りたいぜ!!”
と、奮起し そこにやりがいを感じることはできないのでしょうか??

Sさんが自分から”真理を知りたい”という探究心がないと、
いくら私が楽しさを伝えても、”ふ〜ん”で終わってしまいそうですし、
そういうものって自分で苦しんで発見することに意義があるわけで、
宝探しのように”楽しさ・やりがい”を自分で経験して探して欲しいんです。

こういうものは手軽に拡散して
皆で共有できるものではないんですよ。
決して勿体ぶっている訳ではなく、
他人に聞くより 自分で探した方が断然楽しいよという
私から伝えられる最大限のメッセージであります。」

 

大原
大原

「西洋医学で治らなかった病気が、
鍼灸を受けるとすんなり治ったり、
症状が軽快するところが
鍼灸の素晴らしさだと思います。

資格を取った後に
そのように感じることもあると思いますので、
とりあえず国試に向けての勉強を目標に
がんばってみてはいかがでしょうか」

 

新川
新川

「鍼灸師になった当初は、
ついつい責任や失敗の原因を自分以外に求めてしまったり、
過去のことをずるずる引きずってしまうということがよくありました。
ただ、この仕事はよくも悪くも自分次第ですからね。
その責任が喜びにも変わるし、後悔にも変わります。

Sさまには卒業するまでに一年間の時間があります。
それを国家試験だけのために使うのも良いですし、
卒業後に自分がどうしたいかを模索する時間として使うのも良いと思います。
それも自分次第です。

仮にきっかけが自分の納得がいかない形でも、
気にせず進んで見て下さい。
今、目の前にあることに対して
納得して行動出来ているかの方が大事です。」

 

本多
本多

「一鍼堂に来られる方の多くが、
西洋医学の治療では何ともならないから、
「我慢するしかない。」
「慣れるしかない。」と診断された方達ですので、
そのような症状が良くなっていく過程で
患者さんの、
何とかなるかも知れないという表情を見られることに
ごく当たり前のことですが、喜びを感じます。」

 

北野
北野

「Sさん
経緯を拝見させて頂きました。
僕自身まだまだ修行中なので
楽しさややり甲斐については語ることはできませんが、
今学んでいる東洋医学は、
現代医学では改善されない疾患などにも対応出来る
素晴らしい医学だと感じています。
その奥深さを感じながら日々学ぶことは大変ですが
楽しさもその分あります。

僕の中での鍼灸師とは、
東洋医学を通じてその人の生きていく上で
最も大切な身体を扱う仕事であり、
与える影響もすごく大きく
やり甲斐のある仕事だと思います。

良い仕事ができれば需要もあると思いますし、
不安定だとか業界自体がどうであるかは
あまり気にしたことがありません。

現在3年生であるSさんが
今までどの位臨床の現場を見てこられたかはわからないですが、
鍼灸の仕事に興味をもてないのであれば
実際に色んな鍼灸の現場に触れる機会などを作ってみてはいかがですか?
学校で話を聞いているのとはまた違ったりするかもしれませんよ。

それでも興味がもてないようであれば
それはそれでSさんにとっては
違う仕事が合っているのかもしれませんし、
せっかくお金も借りて家族にも負担をかけながら
頑張ってこられたのであれば、
しっかり納得した上で決断していく事が
これから先の人生にも繋がるような気がします。」

小堀
小堀

「私は一鍼堂で治療して頂いたことがきっかけで、
今こちらで勉強させて頂いてます。
当時一緒に通院していた母が、帰りには見違えて元気になる姿に、
素晴らしい仕事だなと感じました。
Sさんのように学生時代は、試験の為の勉強が辛かったこともありますが、
実際患者さんを目の前にすると、もっと勉強しておけば良かったと思うことが多く、
そこからの学びは試験勉強とはまた違ったものになります。
できれば学生の間に、いろんな鍼灸院をみてまわるなり、
勉強会に行くなり、現場をみてまわってはどうでしょうか。
鍼灸業界の選択肢は広く、Sさんのやりたいことと、
繋がりがみえてくるかもしれません。」

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