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張仲景の古医書『傷寒論』の解説です。
今回の傷寒論は弁厥陰病脈証并治 三百二十七章。
厥陰中風証の脈による予後について。
三百二十七章
厥陰中風、脉微浮爲欲愈、不浮爲未愈。
和訓:
厥陰の中風、脉微浮なるは愈えんと欲すと為し、
浮ならざるは未だ愈えずと為す。
・厥陰中風、脉微浮爲欲愈、不浮爲未愈
厥陰は風木を本気とする。
厥陰病は疏泄が行えず、相火が内鬱するのを
病因とするので、浮脈にはならない。
仮に脈が微浮を現していれば、
木の条達作用により風邪を表より除いていることを現している。
これは病が陰から陽に転換したのであるから、
病は治ろうとしている。
しかし「不浮」であれば、
陰病中に陽脈をみていないので病は治らない。
提要:
厥陰中風証の脈による予後について。
『現代語訳 宋本傷寒論』訳を使用:
厥陰病の中風証では、脈が微浮であれば病はやがて癒えるが、
浮でない場合はまだ治癒していない。
参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』 績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社
生薬イメージ画像:為沢 画
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
為沢