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和紙に色を塗る
和紙に色を塗る

下野です。
今回も『薬性の歌』になります。
途中で原 南陽という
名医の事を書いているのですが、
またいつかは人物紹介の
記事を書いてみようと思います。


【原文】
瓜蒂苦寒、善能吐痰、消身浮腫、並治黃疽。
巴豆熱辛、除胃寒積、破癥消痰、大能通利。
牙皂味辛、通利関竅、敷腫痛消、吐風痰妙。
斑苗有毒、破血通経、諸瘡瘰癧、水道能行。
胡黃連苦、治労骨蒸、小児疳痢、盜汗虛驚。

<第三十五に続く>


【解説】
瓜蒂は苦寒。
痰を吐かせ、体の浮腫を消す。
また黄疸の治療にも効果が有る。

巴豆は熱辛。
胃の寒積を除き、
破癥し痰を消しさり、
大いに二便を通す。

牙皂は味辛。
通利関竅し、皮膚の腫物に外用し治す。
風痰を吐かせて治す。

斑苗は有毒。
破血して経を通し、
諸瘡や瘰癧に用いる。
水道をよく通す。

胡黃連は苦。
労熱骨蒸を治し、
小児の疳病の下痢や寝汗、虚驚に。

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◉瓜蒂

ウリ科マクワウリの瓜蒂。
性味:苦・寒・小毒
帰経:胃
為沢先生による解説はこちら
【古医書】傷寒論: 弁太陽病脈証并治(下)百六十六章・百六十七章

マクワは漢字で真桑と書き、
これは美濃国真桑村(現:岐阜県本巣市)が良品の産地
であったことに由来しているようです。

◉ 巴豆

トウダイグサ科ハズの成熟した種子。
性味:辛・熱・大毒
帰経:胃・大腸
為沢先生による解説はこちら
【古医書】傷寒論: 弁太陽病脈証并治(下)百四十一章

江戸時代の名医 原南陽が、
危篤状態にあった水戸藩主を
九文で買った(元手に調合した)走馬湯(杏仁・巴豆)で治したことで
水戸潘の侍医に抜擢され、
五百石を与えられたと言われています。

◉皂角(牙皂)

マメ科トウサイカチの果実で、
成熟品を皂角、未成熟品を牙皂などと区別。
性味:辛・鹹・温・小毒
帰経:肺・大腸
効能:
①袪痰
・頑痰阻塞の粘稠痰や胸苦しい、呼吸促迫などに。
方剤例 → 牙莢丸。
・黄色の頑痰にも。

②通竅開閉
・中風の意識障害や牙関緊急(三叉神経症状)に。
方剤例 → 通関散。
・癲癇で牙関緊急(三叉神経症状)して痰盛を呈する時に。
方剤例 → 稀涎散。
・燥結便秘に。
方剤例 → 皂角散。

③消腫止痒
・皮膚化膿症に外用する。

◉斑蝥(苗)

ツチハンミョウ科のヨコジマハンミョウなど。
性味:辛・寒・大毒
帰経:未詳
効能:
①攻毒蝕瘡・療癬
・頑癬に外用。
・頚部リンパ節腫に外用
方剤例 → 生肌乾膿散。

②破癥散結
・腹腔内腫瘤に。

◉胡黃連

ゴマノハグサ科の根茎。
性味:苦・寒
帰経:心・肝・胃・大腸・小腸
効能:
①清虚熱・退骨蒸
・陰虚の骨蒸潮熱。
方剤例 → 清骨散。

②清熱消疳
・小児の疳積による腹痛や潮熱に。
方剤例 → 肥児丸。

③清熱燥湿
・湿熱の下痢に。
・痔核の痛みに。


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社
『中医病因病機学』 東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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