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こんにちは北野です!
今日は以前の衛気営血弁証の続きを書いていきたいと思います。
【2】気分証
気分証は、温熱の邪気が臓腑に入り正邪が互いに激しく抗争し、
陽熱が亢進しておこる裏熱証である。
気分証には、熱が肺に阻滞しているもの、
熱が胸隔にあるもの、胃熱亢進、熱結腸道、
熱が胆に鬱しているもの、脾胃湿熱などがある。
【臨床所見】
発熱、悪寒はなく、悪熱がある。
舌紅苔黄、脈数。心煩、口渇、尿赤など伴う。
①咳喘、胸痛、黄色い痰を吐く。
②心煩、懊憹し(心窩部のやけつくような不快感)、
座っても臥しても落ち着かない。
③壮熱、煩渇して冷たい物を飲みたがる、大汗、脈洪大。
④潮熱、便秘。
⑤水様便、腹満硬痛、舌苔黄燥、
焦黒で芒刺があることもある、脈沈実有力。
【証候分析】
①発熱、悪寒、尿赤、舌苔黄、脈数:
邪熱が気分に入り、正邪抗争して陽熱が亢進すると、
これらの症状が現れる。邪が裏に入り、表証はないので悪寒はおこらない。
②口渇:
熱が盛んで津を損傷しておこる。
③煩躁:
熱が心神に影響しておこる。
④咳喘、胸痛:
熱が肺に阻滞したため肺の清粛機能が失調し、気機不利となっておこる。
⑤痰は多く、黄色で粘い:
肺熱が液に作用すると痰を形成する。
⑥心煩、懊憹、座っても臥しても落ち着かない:
熱が胸隔に影響し、鬱しているためにおこる。
⑦壮熱、大汗:
熱が陽明にあり、胃熱が亢進し外に作用しておこる。
⑧煩渇して冷飲を好む:
熱が盛んなため津を損傷しておこる。
⑨脈洪大:
内熱が強いために現れる。
⑩腹満硬痛、大便秘結、あるいは清水を下痢する:
熱が腸道に結し、津が損傷して燥化し、
この燥熱と糟粕が相結して腑気が通じなくなっておこる。
⑪潮熱、舌苔黄燥、あるいは焦黒で芒刺がある、脈沈実有力:
陽明腑実となり、燥熱が内盛となっている象である。
【治療】
治 法:清泄気分熱
治療穴と手法
①熱が肺に阻滞しているもの:清熱宣肺
手太陰経、手陽明経穴を主に取る。
針にて瀉法を施す。灸は用いない。
②熱が胸隔にあるもの:清透鬱熱
手太陰経、手陽明経穴、背兪穴を主に取る。
針にて瀉法を施す。灸は用いない。
③陽明の熱が盛んなもの:清熱生津
手足陽明経穴、督脈経穴を主に取る。
針にて瀉法を施す。灸は用いない。
④熱結腸道:泄熱通便
手足陽明経穴を主に取る。
針にて瀉法を施す。灸は用いない。
※1心煩:(しんはん)胸部がほてってムカムカすること。
※2煩躁、煩渇:
胸の中がほてって熱くなりいらだつことを「煩」といい、
手足をばたばたさせて落ち着かないことを「躁」という。
ただ煩熱があり、口が渇くだけで手足をばたばたさせないものを「煩渇」という。
以上、気分証について書かせて頂きました。
次回は営分証、血分証について書いていきたいと思います。
北野
参考文献:
『中医診断学ノート』 東洋学術出版社
『針灸学』 東洋学術出版社