こんにちは北野です。
今日は要穴の中の兪穴、四総穴、八会穴
について書いていきたいと思います。
《兪穴(背部兪穴)》
兪穴とは、臓腑の気が注ぐところで、すべて陽の部(背腰部)の
足太陽膀胱経上にあって、臓腑に一つずつあるが、厥陰兪以外は
臓腑と同じ名前が付けられている。兪穴は膀胱経の第一枝に
配置し、五兪穴の兪穴と区別する意味から、背部兪穴と呼ぶ。
【由来】
霊枢・背兪篇では、五臓について兪穴の
名称や部位が記載されたが、
脈経や鍼灸甲乙経により、六腑の兪穴が
追加され完成した。
肺 :肺兪 大腸:大腸兪
脾 :脾兪 胃 :胃兪
心包:厥陰兪 三焦:三焦兪
肝 :肝兪 胆 :胆兪
心 :心兪 小腸:小腸兪
腎 :腎兪 膀胱:膀胱兪
【臨床応用】
診察点:病邪が臓腑を侵したら、
兪穴に異常な反応が見られる。
配穴法:陰の病(臓の病証)によく反応する。
兪募配穴法は古典鍼灸の一つである。
《四総穴》
四総穴とは身体を四部分に分けて各部を主治する穴である。
すなわち、肚腹(腹部)の病は足三里(胃経を)、
腰背(腰部と背部)の病は委中(膀胱経)を、
面口、面目(顔面部)の病には合谷(大腸経)を、
頭項(頭部と後頸部)の病には列缺(肺経)を
治療点とする考え方である。
【臨床応用】
遠隔取穴法として用いる。
《八会穴》
八会穴とは、臓、腑、気、血、筋、脈、骨、髄、
などの精気がある特定的な経穴にあつまることをさす。
八会穴とその属する臓器組織の生理機能は密接な関係があり、
章門は臓の会であるが、これは五臓はみな脾に養われており、
ここは脾の募穴でもあるからである。
この八つの経穴は八種の病証に対して、
特別な治療作用を持つ。
【経穴】
陰 陽
臓 :章門 腑:中脘
血 :膈兪 気:膻中
脈 :太淵 筋:陽陵泉
髄 :絶骨 骨:大杼
【臨床応用】
東洋医学の臓腑、気血、筋脈、骨髄などの
理論に基づいてそれぞれの病証に特別な
治療作用をもつ。
単独で用いても良いが、組み合わせて配穴
することもある。
以上、兪穴、四総穴、八会穴について
書かせて頂きました。
参考文献:
『兪穴学』 たにぐち書店
『経穴マップ』 医歯薬出版株式会社
『経絡経穴概論』 医道の日本社