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こんにちは、大原です。
前回(肺の変調と反応 その2)は、
肺の働きをふまえて、肺の病証と
そのときの脈や舌の変化について考察しました。
今回は、それらをふまえてもう一度
肺の性質や変調について
考えてみたいと思います。
五臓六腑の臓腑を
陰陽に分けた場合、臟は陰、腑は陽に区別されます。
これは、臟は正気を貯蔵し、腑は水穀を伝導させる
という、それぞれの働きの大きな違いがあるためです。
また、陰陽で表裏を考えた場合に
表は陽に、裏は陰に属します。
すると、
単純に考えると五臓六腑は
臟は陰、腑は陽の性質をもつことになります。
ですが、五臓六腑のそれぞれの働きを考えた場合に、
単純にそのように区別できるのでしょうか?
肺の位置なども考慮して考えてみましょう。
肺は呼吸によって
体内の濁気を排泄させたり
清気を取り入れたりする働きがあります。
ここで、「肺は華蓋(かがい)」と言われるように
肺は五臓六腑を覆うように
内臓の一番上にあるとされ、
外界に接しています。
また、五臓はそれぞれ
肝:筋を主る
心:血脈を主る
脾:肌肉を主る
肺:皮毛を主る
腎:骨を主る
といったように
身体全体の組織を主るとされています。
その中で、肺は皮毛とあり、
一番表層を主るといえます。
以上から、「臟は陰であり裏である」という
陰陽論による区別は、
五臓の働きを個別にみていくと
あてはまらないように感じます。
そのため、五臓をそれぞれ
心:陽中の陽、
肺:陽中の陰、・・・
などと、五臓の中をさらに陰陽で分けて
考えていく場合があるのでしょう。
外界と接する臓腑が
表裏のうちの表であるとすると、
五臓六腑において
表と接する臓腑は以下のものになると思います。
・肺
・胃(飲食物の入口)
・大腸(魄門)
・膀胱
・三焦
以上から、肺の変調とは
表に出やすいといえると思います。
また、裏にある臓腑が失調することで、
その影響が表である肺などにも伝わったり、
肺の弱りが外邪に耐えきれず
裏に入ったりすることもあると思います。
肺の変調と反応について、
他の臓腑との関わりを考える場合に、
上述のように
肺の位置がどこになるのか
意識することは重要ですね。
参考文献:
『臨床に生かす古典の学び方』 医道の日本社
『基礎中医学』 燎原
『黄帝内経 素問 上巻』 東洋学術出版社
*画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。
表裏、陰陽は相対的なものでありますから、
どこを軸にするかで
関係性はことなります。
臓腑での陰陽、上下での陰陽は基準となる軸が異なるわけです。
恐らく、レイヤーのように重なる
その次元がごちゃまぜになって混乱しているのだと思います。
よくよく考えてください。
コメントありがとうございます。
文献を読んでいく中で、不消化のまま
整理しきれていませんでした。
また考えていきたいと思います。