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こんにちは、大原です。
前回(肺の変調と反応 その1)は、
肺の働きは
「肺は相傅の官、治節出ず」
(素問 霊蘭秘典論篇)とあることから、
血脈を主る心をサポートし、
全身の気血の循環に大きく関わるということを
述べました。
これは、表現を変えると、
肺の働きとして重要な
「気を主る」(呼吸、全身の気の生成)や、
「宣発・粛降」(脾胃で得た水穀の気を全身に散布する)
となります。
特に、心や肺と大きく関わって全身の気を調節する気を
「宗気」と呼んだりします。
さて、このような働きをもつ「肺」が
変調した場合にはどのようになるでしょうか?
先に述べた肺の働きが失調するので、
全身の気の生成や呼吸などに
変調があらわれると考えるのが自然でしょう。
すなわち、肺気が減退した場合には、
呼吸や気の生成の機能が減退することになります。
呼吸が浅くなったり、空咳が続いたり(宗気の低下による)、
ちょっとした外気の変化が身体の負担になり、
寒気、自汗、悪風(衛気の低下による)
といった症状があらわれると
予想できるのではないでしょうか。
では、肺気が減退した場合に、
脈診などではどのような反応が見られると
考えられるでしょう?
君主の官である心にとってのサポート役である肺が、
機能が減退するため、
心は平常時よりも頑張らなくてはならなくなります。
そのため、脈診に関しては、
心による血の推動が亢進した場合には、
脈力が強く、また、
脈拍が多くなることが予想されます。(数脈)
また、舌診においても、
心と肺の関係から、上焦の状態をあらわす舌尖部
に何かしらの反応が表れると思います。
例えば、心気が亢進して舌尖部が紅舌を呈したり、
慢性病の場合には心気もへたってしまうと考えると
上焦全体の力が減退したような、
舌尖部の色がもう一つ鮮やかでないような色を呈するといった
反応がみられると思います。
ただし、脈や舌は全身の状態をあらわし、
五臓六腑は一つにまとまり
つながって共働していることを考えると、
絶対にこのような反応が出るというようには
一概にいえないでしょう。
あくまで心と肺の関係だけを
クローズアップした
机上の考えとして読んで頂ければと思います。
参考文献:
『臨床に生かす古典の学び方』 医道の日本社
『基礎中医学』 燎原
『黄帝内経 素問 上巻』 東洋学術出版社
*画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。