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張仲景の古医書『傷寒論』の解説です。
今回の傷寒論は弁少陰病脈証并治 三百二十章。
この章では、少陰病で津傷・火高・化燥する場合は、
すぐに攻下法を行わなければならないことについて
詳しく述べております。
三百二十章
少陰病、得之二三日、
口燥咽乾者、急下之、宜大承氣湯。方十九。
枳實五枚、炙 厚朴半斤、去皮、炙 大黄四兩、酒洗 芒硝四兩、酒洗
右四味、以水一斗、先煮二味、取五升、
去滓、内大黄、更煮取二升、去滓、
内芒硝更上火令一兩沸、分溫再服。一服得利、止後服。
和訓:
少陰病、之を得て二三日、
口燥咽乾するものは、急いで之を下せ、大承気湯に宜し。方十九。
枳実五枚、炙る 厚朴半斤、皮を去る、炙る 大黄四両、酒で洗う 芒硝三合
右四味、水一斗を以て、先ず二味を煮て、五升を取り、
滓を去り、大黄を内れ、更に煮て二升を取り、滓を去り、
芒硝を内れ更に火に上せて一両沸せしめ、分かち温め再服す。
一服して利を得れば、後服止む。
・少陰病、得之二三日、
口燥咽乾者、急下之、宜大承氣湯
少陰の上方の心は火性、下方の腎は水性であるから、
病も水火の性質に分けられる。
病は本来陰虚であり、
水が火を抑えられず昂ぶり、腎陰を灼傷している。
そしてわずか2〜3日であるのに
突然口が乾燥し、咽乾となるのは、
もともと内熱が盛んで、陽経が主る時期に
少陰の火と陽明燥火が急速に合わさった為である。
少陰の熱邪が陽明に併入し、
わずか2〜3日であるのに、口燥、咽乾が診られるのは
陽熱の気が盛んで陰液が少なくなっていることを物語っている。
熱が陽明に合併すると、
脾土実にして水欠となり、必ず胃実などの証もおこる。
胃実を下さないと、少陰の陰液は回復できないので、
大承気湯で急下しなければならない。
大承気湯
こちらを参照→【古医書】傷寒論: 弁陽明病脈証并治 二百三十八章・二百三十九章
提要:
少陰病で津傷・火高・化燥する場合は、
すぐに攻下法を行わなければならない。
『現代語訳 宋本傷寒論』訳を使用:
少陰病に罹り、二三日が経った頃、
口と咽喉が乾燥する場合は、急いで攻下しなければならず、
それには大承気湯が適当である。処方を記載。第十九法。
枳実五個、炙る 茯苓半斤、皮を除く、炙る 大黄四両、酒で洗う 芒硝三合
右の四味は、一斗の水で、まず二味を、五升になるまで煮て、
滓を除き、大黄を入れ、二升になるまで更に煮て、
滓を除き、芒硝を入れて更に火にかけて少し煮たたせ、二回に分けて温服する。
初回の服用で下痢すれば、二服目は服用しない。
参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』 績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社
生薬イメージ画像:為沢 画
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是非参考文献を読んでみて下さい。
為沢