水分一穴
下脘の下一寸、臍の上一寸、
針五分留ること三呼、
水腫に刺せば水つきて即死す、
水病には灸四十九壮より四百壮にいたる、
大によし、水腫、脹満、小便通せず、
転筋不食、臍腹いたみ、心に冲き、
腰背こはり、腸鳴り、鼻衂、小児顖陥るを。
神闕一穴
臍の真中なり、禁針也、
もし刺せば臍の中悪しき瘍を生じて死す、
灸も軽き病には猥にすべからず、
急症重き病には塩か味噌を布きてすべし、
中風卒倒し甦らず、久しく冷えて泄痢止まず、
水腫、鼓脹、腸鳴り、臍腹いたみ、
小児驚風、てんかん、反張、脱肛を治す、
卒中風甦らざるに灸百壮すれば甦る、
それにても甦らずは又百壮すべし。
陰交一穴
臍の下一寸針八分、気を得て即泻す、
泻して後に補ふべし、灸廿一壮より百まで、
妊婦には忌、心腹いたみ陰中に引て小便通せず、
疝気、陰汗湿かゆく、腰膝つりいたみ、
臍下熱し、鼻血、婦人の崩漏、月水たへず帯下、
産ご悪露止まず、臍の繞り冷痛み、陰痒く、
積塊、小児の陥顖を治す、此穴に灸針すれば一生子を孕まずを。
気海一穴
臍下の一寸半、灸七壮針八分、
気を得て泻し、泻して後に補ふべし。
傷寒、湯水を多く飲んで、腹脹、気喘ぎ、
心の下痛み、冷病、面赤く、真気不足し、
一切の病気久しく差ず、痩嬴四支力弱く、積聚、
せんき、血塊、心痛、中悪、泄痢、
大小便通せず、崩漏、帯下、月水調わず、
産後悪露止まず、臍腹痛み、閃着腰いたみ、小児の遺尿を治す。
〜『鍼灸重宝記』より〜
鍼灸重宝記より経絡要穴之目録の心腹の部から
水分、神闕、陰交、気海を抜粋。
