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こんにちは、大原です。
五臓の変調や弱りの原因として、
やや乱暴に、大まかにまとめてしまうと
・精神的ストレス→心・肝の変調
・飲食不節→脾の変調
・睡眠不足や老化→腎気の弱り
というような関係が
すぐに思い浮かぶのではないでしょうか?
これらは臓腑の機能や性質を
知っていればすぐに思いつくことだからです。
(実際には、このように単純ではなく
例えば飲食不節によって脾以外の臓腑に
変調が現れることももちろんあります)
では、この大まか過ぎるまとめの中に
唯一出てきていない「肺の変調・弱り」とは
どのような原因が考えられるでしょうか?
まずは肺のはたらきについて考えていきます。
素問に「肺は相傅の官、治節出ず」
とあります。(素問 霊蘭秘典論篇)
「相傅の官」とは、
王様を傍でサポートするような官職をいうようです。
すなわち、肺は君主である「心」を
サポートするということであり、
心の「推動作用」すなわち血液循環の働きを
助けるということです。
また、「治節」とはどういう意味でしょう。
これは、呼吸や一身の気の流れ(気機)を
調節するということをいうようです。
気血は全身を循環してあらゆる組織を栄養しますが、
呼吸によって得た酸素など(清気)や
飲食物から得た養分(営気)を
血液(営血)として身体を循環させたり、
反対に身体から不要になった呼気(濁気)を
排泄させたりすることで、
必要な場所に必要な養分を送り
気血の循環を維持しています。
この一連の働きが心・肺によるものです。
では心と肺はどのような関係でしょうか。
心の推動によって
気血(営血)は全身を循環していきます。
すなわち心は、ポンプのように
血液を直接送り出す働きがあるということです。
そして肺の治節によって
清気や飲食物(穀気)を営血に、また、
不要な濁気の排泄がなされます。
すなわち、
心と肺の役割を分かりやすくするために
営血の生成・循環に着目すると、
肺が身体に必要な養分を血液に変換し、
心が、肺によって養分で満たされた血液を
全身に送っているということ
ではないでしょうか。
この血液循環・呼吸によって
身体に不必要な濁気も
同様に排泄されるのだと思います。
このようにして心と肺は共働しながら
気血の循環を主どっていると
いえると思います。
では、肺気が失調した場合は
どのようになるのでしょうか?
続きます。
参考文献:
『臨床に生かす古典の学び方』 医道の日本社
『基礎中医学』 燎原
『黄帝内経 素問 上巻』 東洋学術出版社
*画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。