こんにちは北野です!
今回は前回の引き続き気血同病弁証について
書いていきたいと思います。
【3】気血両虚証
気血両虚証とは、
気虚と血虚が同時に存在する証候である。
病気が長期化して気虚となり、
そのため生血機能が低下しておこる場合、
あるいは失血のため気も同時に
脱失しておこる場合などがある。
【臨床所見】
息切れ、懶言、脱力感、
自汗、顔色は蒼白あるいは萎黄、
心悸、不眠、舌質淡嫰、脈細弱。
【証候分析】
①息切れ、懶言、脱力感、自汗:
気虚の基本証候である。
②心悸、不眠:
気血両虚のため、心脈を濡養、推動できなくなり、
心神不安となっておこる。
③顔色蒼白または萎黄、舌質淡嫰:
気血両虚の象である。
④脈細弱:
気血両虚のため、気血が脈に充足しいないためにおこる。
【治療】
治法:益気補血
治療穴:任脈、足陽明経を主に取る。
手法:鍼灸併用。鍼にて補法を施す。
【4】気不摂血証
気不摂血証とは、
気虚のため血液を統摂できなくなって
おこる出血証候のことである。
【臨床所見】
吐血、血便、皮下の瘀斑、
崩漏、息切れ、倦怠脱力感、
顔色は白く艶がない、舌質淡、脈細弱。
【証候分析】
①各種出血:
気虚により血に対する固摂作用が失調し、
統血できなくなると、血液は経を離れて
外溢する結果出血する。
②吐血、血便:
血液が胃腸において外溢するためにおこる。
③皮下瘀斑:
血液が皮膚において外溢するためにおこる。
④月経過多、崩漏:
脾の統血作用が低下し衝任不固となったためにおこる。
⑤息切れ倦怠脱力感、顔色が白く艶がない、舌質淡、脈細弱:
気血両虚の象
【治療】
治法:補気補血
治療穴:足太陰経、足陽明経を主に取る。
手法:鍼灸併用。鍼にて補法を施す。
以上、気血同病弁証について書かせて頂きました。
次回からは衛気営血弁証について
書いていきたいと思います。
北野
参考文献:
『針灸学』 東洋学術出版社
『中医診断学ノート』 東洋学術出版社