こんにちは、北野です。
最近、漢字の成り立ちについて
学ぶ事があり今日は『衛』という字に
ついて書いていきたいと思います。

衛はエイ、まもると読み
護衛、防衛、衛生に使われ、
同じ読みですが衛星などにも使われています。
東洋医学でもよくでてくる
衛気(えき)にも使われており、
衛気というのは身体の経絡を巡り、
外邪に対して働く免疫のような作用もあります。
護衛や防衛、衛生、衛気などは
まもるというニュアンスが
合っているのかなと思います。
しかし、衛星に関してはまもるという
感じがしっくりこない気がします。

衛星放送や衛星中継など
同じ読み方のエイなら「映」でも
良いんじゃないかなと思ったりします。
ところが漢字の成り立ちを
探っていくととても面白いです。

「衛」という字を大きく分けていくと、
「行」「韋」が挟まれています。

それぞれの成り立ちに関して
説明すると「行」に関しては
十字路の形をそのまま字形にしたもので、
大きな道が交差している四つ角を
あらわし、人の行くところであるから、
「いく、ゆく」の意味になったそうです。

昔の人達は安全な共同体から出る
道路というのは邪霊の
住む危険な所と考えており、
それが交わる十字路は、
いろいろな霊も行き交っている
場所で、そこではいろんな呪術が
行われました。
「術」という字もそういう
十字路を意味する字形をしています。
少し話がそれましたが、
一般的には「行」は行くということから、
行為すること、行うを意味する
ようになったそうです。

さて、次は「韋  (イ)」についてですが、
韋の字には真ん中に「口」がありますね。
「口」というのは甲骨文字では
主に神への祝詞(のりと)を入れる
箱を指すのですが、
韋の中の「口」は城壁を表しています。
口を上下に挟む文字は
「止」という字を横向きに
したもので、「止」
足の裏の形からできているそうです。

なので足に関わる字には、
「足」「歩」「走」などには
「止」が左右、上下いろんな向きで
含まれています。

「歩」は左右の足跡を逆にしてかいた形で、
「走」は人が両手を振って走るさまを
そのまま形にしているそうです。

「韋」についてですが
城壁と足で構成されてるので
城のまわりを巡る意味を表すそうです。
しかも上下の「止」がいき違いなので、
「違」という字は「ちがう、たがう」
の意味だそうです。

「行」と「韋」の説明を
させて頂きましたが、
これらの字の成り立ちを
組み合わせていくと
「衛」という字は城の回りをぐるぐる
巡り歩き、防衛し守っている
という意味を表した字に
なっているそうです。
古代文字の中には「口」の四方を
「止」で描かれている字形も
あるみたいです。

こうして成り立ちを知っていくと
最初に出てきた衛星についても
地球の回りをぐるぐる巡って行くので
最も最適な字として当てはまる
気がします。

衛気についても体内をぐるぐる巡り行き、
身体を守るという事から
この字が使われたのかなと
思いました。
身体の経絡中の目に見えないものを
ぐるぐる巡り行くと
想像して名付けるところが
古代の人達の観点と想像力と
知識の深さを感じました。

こうして字の成り立ちを知ると

興味が湧き、イメージできるので
すぐに覚えられ忘れにくいと思いました。
今回は『衛』に関わる字を
少し紹介させて頂きました。
また、書いていきたいと思います。

参考文献:

『白川静さんに学ぶ漢字は楽しい』   新潮文庫
北野

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