下野です。
昔誰かも分からず購入し、一時ハマりました
「ビル・エヴァンス」(実はすごい人でした(^_^;))
の曲を久しぶりに聞いてみました。
ジャズと言うと、
ちょっと「格好つけ」みたいな
イメージをもつ人もいるようですが、
良い曲はどんなジャンルでもいいもんです。
僕は定番曲ですが『Autumn Leaves(枯葉)』がお薦めですね。
では「薬性の歌」に参ります。
【原文】
秦艽微寒、除湿栄筋、肢節風痛、下血骨蒸。
紫菀苦辛、痰喘咳逆、肺痰吐膿、寒熱並済。
款花甘温、理肺消痰、肺癰喘咳、補劣除煩。
金沸草寒、消痰止嗽、明目祛風、逐水尤妙。
桑皮甘辛、止嗽定喘、瀉肺火邪、其功不浅。
<第三十に続く>
【解説】
秦艽は微寒。
湿を除いて、筋を栄養する。
関節の風痛や下血、※骨蒸に。
※骨の髄から熱が透発するように感じる。
紫菀は苦辛。
喘息や咳嗽、肺痰膿を吐くものに。
寒熱共に用いる。
款花は甘温。
肺の流れを良くして痰を消し、
肺癰、喘咳に用いる。
劣は補い、煩は除く。
金沸草は寒。
痰を消して咳を止め、
風を去り、頭目を明らかにする。
下法のすぐれた方法である。
桑皮は甘辛。
咳嗽を止めて平喘し、
肺火の邪を瀉する。
其の効果は浅からず。
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◉秦艽
リンドウ属の植物の根部。
性味:苦・辛・平
帰経:胃・大腸・肝・胆
効能:
①祛風除湿・通絡舒筋
・風湿痺の関節痛みや筋肉のひきつりに。
方剤例 → 大秦艽湯。
・湿熱痺の関節痛や発赤、熱感などに。
②化湿退黄
・湿熱の黄疸に。
③退虚熱・除蒸
・陰虚の骨蒸潮熱に。
方剤例 → 秦艽鼈甲散・秦艽湯
・小児の疳熱に。
◉紫菀
キク科シオンの地下部分。
性味:辛・苦・温
帰経:肺
効能:
①潤肺下気・化痰止咳
・外感の咳嗽で、痰が出せない時に。
方剤例 → 止嗽散
・陰虚労熱の咳嗽や血痰に。
方剤例 → 紫菀湯。
・慢性の咳嗽に。
方剤例 → 紫菀百花散。
・肺気虚の寒咳に。
方剤例 → 済生紫菀湯。
◉款冬花(款花)
キク科のフキタンポポの花つぼみ。
性味:辛・温
帰経:肺
効能:
①潤肺止咳・消痰下気
・咳嗽や呼吸困難に用いる。
寒飲の場合の方剤例 → 射干麻黄湯。
肺熱の場合の方剤例 → 款冬花湯。
・咳嗽や血痰に用いる。
方剤例 → 百花丸。
・款冬花を焼いて、その煙を吸入しても良い。
◉金沸草
オグルマ、ホソバオグルマの地上部で、
旋覆梗とも言う。
性味:苦・辛・鹹・微温
帰経:肺・胃・大腸
効能:
①消痰降気平喘
・痰壅気逆、痰飲蓄結の呼吸困難や咳嗽などに。
方剤例 → 旋覆花湯。
②降逆止噫
・脾胃虚寒、痰湿内阻による噯気や嘔吐などに。
方剤例 → 旋覆花代赭石湯・旋覆半夏湯。
作用や効果効能は旋覆花と同じだが、
金沸草の方が消痰化飲の力が強いとされる。
◉桑白皮(桑皮)
クワ科カラグワのコルク層を除去した根皮。
性味:甘・寒
帰経:肺
効能:
①瀉肺平喘
・肺熱の咳嗽や呼吸困難などに。
方剤例 → 瀉白散・五虎湯。
②利水消腫
・肺気壅実の浮腫や尿量の減少に。
方剤例 → 五皮散。
<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社
『中医病因病機学』 東洋学術出版社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
下野