「踹」とは、
【霊枢:経脈篇 第十】
足太陽膀胱経脈の中に記載されている。
「踹」の読み方は、
「セン」または「ゼン」。
霊枢の原文を抜粋すると、
「是動則病衝頭痛、目似脱、項如抜、
脊痛、腰似折、髀不可以曲、膕如結、踹如裂。」
太陽経脈の流中に沿って症状が起こると
記載がみられる。
数冊の訳書を調べてみると、
「踹」の訳は「ふともも」とされているが、
『漢字源』で確認してみると
訳は「かかと」とある。
更に詳しく調べると、
「踹」は「足」と「耑」に分けられる。
「足」は「足」を
「耑」は「ハシ(端)」を表し、
二つを合わせると、
「足の端」なので、
訳は「かかと」だと考える事ができるが、
経脈篇の足少陰腎経の流中に
「腎足少陰之脈 、起于小指之下 〜 別入跟中、以上踹内 ・・」
の記載があり、
「跟」は「かかと」の訳がある。
『漢字源』でも「跟」は「かかと」の記載あり。
そのあとに続けて
「以上踹内(踹内を上り)」なので、
腎経の流中を考えると、
「かかと」から上に走ることから、
やはり「踹」は「ふくらはぎ」と訳す方が適切か。
であれば、
ふくらはぎは「踹」ではなく
ふくらはぎをあらわす別の字になるのか。
一つの漢字から様々可能性を考察する事ができます。