吾志ス所ノ脉元ヺサエ見付タラバ、
衆余ノ脉ニハ拘ル●勿レ。
病因ノ本根ヺサエ見付テ有ナラバ
●●衆余ノ病ヺ語モ聞アツカル●勿也。
『医学切要指南』「人参黄耆の論」より抜粋
下野です。
岡本 一抱の書物は
独特な表現方法が好きで、
また非常に分かりやすい為に
よく読んでおります。
今回の冒頭文は、
僕達も陥りやすい治療に関しての
注意すべき点であります。
この冒頭文の前には
「病人に対して毎日方剤を変える医家がいるが、
これは病人の症状だけで治療方法を決めて
いるからである。」という旨の文章があり、
冒頭文を合わせて読んでみると、
「治療家が病の本質を見極めていない。
場当たり的な治療をしているだけ。」(大雑把な訳ですが)
という内容になっています。
これは、
僕達も患者さんの症状を鵜呑みにして
治療をしてしまい、
治療方法が毎回バラバラという、
「美しくない」治療(変な表現ですみません。)と
なってしまうことがあります。
東洋医学の治療には
望聞問切の四診を合わせて判断することの
重要性を説いておりますので、
冒頭文も含め 再度考えなければならないと思います。
<参考文献>
・『医学切要指南』岡本 一抱著 京都大学附属図書館所蔵 富士川文庫目録
・『医学切要指南』岡本 一抱著 伴 尚志現代語訳 たにぐち書店
下野