こんにちは、北野です!
今年は暖冬と言われてますが大寒を間近にして、
寒さがいよいよ本格化してきましたが
皆さん変わらずお過ごしでしょうか。
今日は前回の続きで血病弁証について書いていきたいと思います。
血病弁証
血病には血虚、血瘀、血熱、血寒などがある。
【1】血虚証
血虚証は、失血過多、
あるいは脾胃虚弱による生化不足、
七情過度による陰血損耗などによりおこる。
【臨床所見】
顔色は蒼白あるいは萎黄、唇色は淡白、
頭暈、目がかすむ、心悸、不眠、手足のしびれ。
婦人では月経の量が少なくなる、
経期が遅れる、あるいは閉経。舌質淡、脈細無力。
【証候分析】
①顔色は蒼白または萎黄、頭暈、目がかすむ、唇色淡白:
血虚のため、頭部や目を滋養できなかったり、顔面部の血が不足しておこる。
②心悸、不眠:
血虚のため、心を滋養できなくなっておこる。
③手足のしびれ:
血虚のため、経脈を濡養できなくっておこる。
④舌質淡:
血が舌に充足しないために現れる。
⑤脈細無力:
血が脈に充足しないために現れる。
【治療】
治 法:養血補血
治療穴:足太陰経、足陽明経穴および背兪穴を主に取る。
手法:針にて補法を施す。灸法の併用も可。
【2】血瘀証
血行が停滞するために生じる証候である。
気虚により血行が鬱滞したり、
寒凝、気滞により血流が阻害されたり、
外傷などにより経脈から離れた血液が
瘀血となって局所に停留する結果、
血行に影響して生ずるものである。
また血瘀のために血の性状が
病的に変化して瘀血を生ずることが多い。
【臨床所見】
針や刀で刺したような疼痛(刺痛)、
疼痛部位は固定している、拒按、腫塊。
顔色は黒ずみ、唇や爪がチアノーゼ状になる、
皮膚は青紫色を帯びたり黒ずんだりする、
月経の出血量は少なく、血塊をともなう、
閉経となることもある、舌質紫暗、
あるいは瘀班瘀点がある、脈濇。
【証候分析】
①刺痛:
瘀血が内停し、絡脈不通となり、
気血の運行が阻滞されると痛みがおこる。
針や刀で刺されたような痛みがおこる。
疼痛部位が固定しているのが、血瘀証の痛みの特徴である。
②拒按:
疼痛部位を按圧すると、
気血の鬱滞がいっそうひどくなるためである。
③腫塊:
瘀血が局部に凝集し、
それが長期にわたって散じないと腫塊となる。
④顔色、唇、皮膚などの色調の変化:
皮膚や粘膜の血行鬱滞のためである。
⑤月経の出血量が少なく、血塊をともなう、または閉経:
瘀血が胞絡(子宮)に阻滞しておこる。
⑥舌質紫暗、脈濇:
瘀血の象である。
【治療】
治法:活血化瘀
治療穴:瘀血形成の原因にもとづき、選穴する。
一般には足厥陰経、督脈経穴を主に取る。
手法:鍼灸併用。実証には瀉法を施し、虚証には補法を施す。
次回は、血病弁証の血熱証、
血寒証について書いていきたいと思います。
北野
参考文献:
『針灸学』 東洋学術出版社
『中医診断学ノート』 東洋学術出版社