こんにちは!北野です。
今年も残すところあとわずかとなり
年末年始の忙しい時期ですが皆さん
お身体お変わりなくお過ごしでしょうか。
今日は八綱弁証に続き気血弁証に
ついて書いていきたいと思います。
気血弁証
気血弁証は、
臓腑学説中の気血理論を用いて、
気血の病変を分析する診断方法である。
《1》気病弁証
気病弁証は非常に多いが、
一般には気虚、気陥、気滞、気逆の
4つに分類することができる。
【1】気虚証
気虚証とは身体の機能低下により現れる症候である。
長期に渡る病気や過労、あるいは高齢などの要因により、
身体の気が虚することによっておこる場合が多い。
【臨床所見】
息切れ、精神疲労、脱力感、頭暈目眩、
自汗、活動時に諸症状が増悪する、
舌質淡で舌苔白、脈虚無力
【症候分析】
Ⅰ息切れ、倦怠乏力:
元気不足の症候
Ⅱ頭暈目眩 :
気虚の為清陽が昇らず、
頭や目を温陽できない為におこる。
Ⅲ自汗:
衛気が虚弱となり、
肌表を引き締める機能が失調しておこる
Ⅳ活動時に諸症状が増悪 :
動くと気をいっそう消耗するので症状は増悪する。
Ⅴ舌質淡、舌苔白:
気虚のため血に対する推動作用が低下して
血行無力となり、血が舌に充分に循環しないために現れる。
Ⅵ脈虚無力:
気虚のため血に対する推動作用が低下して
血行無力となり、脈も力が無くなる所見である。
【治療】
治法:補気
手法 鍼にて補法を施す、鍼灸併用する
【2】気陥証
気陥証とは、気が虚して昇挙無力なったため、
気が下陥しておこる症候である。
気虚が進行して生じたり、
労累や出産などの消耗によっておこる。
【臨床所見】
めまい、息切れ、倦怠感、
舌質淡で舌苔白、脈弱、
腹部に墜脹感がおこる、脱肛、子宮脱など
【症候分析】
Ⅰ息切れ、倦怠感:
気虚によっておこる
Ⅱめまい:
気虚のため清陽が昇らなくなったためにおこる
Ⅲ舌淡脈弱:
気虚のため血を運ぶ力が低下しておこる
Ⅳ腹部の墜脹感、脱肛、子宮あるいはそのほかの臓器が下垂:
気虚のため臓器を昇挙する力が低下しておこる
【治療】
治法:益気昇堤
手法:鍼灸併用、鍼は補法を用いる。
次回は気病弁証の続きの気滞証、気逆証に
ついて書いていきたいと思います。
参考文献:
『中医診断学ノート』東洋学術出版社
『針灸学』 東洋学術出版社
北野