am5:30
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下野です。

駅に向かう途中の地下通路。
この日は朝が早く、
僕以外に全く人がいませんでした。
そんな地下通路を歩いていると、
まるで映画『STAR WARS』のデス・スターの
廊下の場面に見えてきてしまいました(^_^;

では「薬性の歌」に参ります。


【原文】
蛇床辛苦、下気温中、悪瘡疥癩、逐瘀祛風。
天麻味辛、能驅頭眩、小児驚癇、拘攣癱瘓。
白附辛温、治面百病,血痺風瘡、中風諸症。
全蠍味辛、却風痰毒、口眼喎斜、風癇發搐。
蟬退甘平、消風定驚、殺疳除熱、退翳侵明。

<第二十七に続く>


【解説】
蛇床は辛苦。
気を下ろして中を温め、
悪瘡や疥癩に。
瘀を逐して、風を袪る。

天麻は味辛。
頭眩に用い、
小児の驚癇、拘攣、癱瘓にも使用する。

白附は辛温。
顔の病を治す。
血痺風瘡や中風の症状に。

全蠍は味辛。
風痰の毒を却き、
口眼喎斜や風癇發搐に用いる。

蟬退は甘平。
風を消して、驚癇をおさえて、
熱を除く。
角膜の混濁を治す。

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◉蛇床子

セリ科オカゼリの成熟した果実。
性味:辛・苦・温
帰経:腎
効能:
①温腎壮陽
・腎陽虚のインポテンツや不妊に。
方剤例 → 三子丸。

②散寒祛風
・寒湿の帯下に。
・湿痺の腰痛に。

③燥湿殺虫
・湿疹の痒みに。
方剤例 → 蛇床子湯。
・陰嚢や外陰部の痒みに。
・トリコモナスによる陰部の痒みに。
方剤例 → 蛇床子散。

◉天麻

ラン科オニノヤガラの根茎の外皮を去り、
湯通しして乾燥させたもの。
性味:微辛・甘・平
帰経:肝
効能:
①平肝熄風・定驚
・肝陽上亢の眩暈や頭痛、ふらつきに。
方剤例 → 天麻鈎藤飲。
・痰濁上擾の眩暈、悪心や嘔吐に。
方剤例 → 半夏白朮天麻湯。
・熱性の痙攣に。
方剤例 → 天麻丸。

②通絡止痛
・風寒湿痺の関節痛や痺れに。
方剤例 → 増損四斤丸・秦艽天麻湯。
・肝腎両虚の手足の無力感や痺れ、麻痺に。
方剤例 → 天麻丸。

◉白附子

サトイモ科リュウキュウハンゲ属植物の根茎、
又はキンポウゲ科キバナトリカブトの根。
性味:辛・甘・大温・有毒
帰経:胃・肝・脾
効能:
①祛風化痰・止痙・止痺
・中風痰壅の顔面麻痺や半身不随、発語の障害などに。
方剤例 → 牽正散。
・風痰壅盛の嘔吐や痙攣に。
方剤例 → 白附飲。
・破傷風の痙攣に。
方剤例 → 玉真散。
・痰厥の頭痛や眩暈、悪心嘔吐に。

②祛湿止痒
・湿疹の痒みに。

◉全蠍

キョクトウサソリを食塩水に入れて、
後に乾燥させたもの。
性味:甘・辛・平・有毒
帰経:肝
効能:
①熄風止痙
・熱性の痙攣に。
・癪癇や破傷風の痙攣に。
方剤例 → 撮風散・止痙散。
・中風の顔面神経麻痺に。
方剤例 → 牽正散。

②活絡止痛
・風湿痺の関節痛に。

③攻毒散結
・皮膚化膿症や頸部のリンパ腫、耳下腺炎などに。
方剤例 → 全蠍膏・全蠍消風散。

◉蟬退

クマゼミをはじめとする、
大型セミの抜け殻。
性味:甘・寒
帰経:肺・肝
効能:
①疏散風熱・利咽開音
・外感風熱の発熱や咽痛、咳嗽に。
方剤例 → 清解湯。
・風熱欝肺・肺気失宣の嗄声に。
方剤例 → 海蝉散。

②透疹止痒
・麻疹初期や透発がよくないときに。
方剤例 → 竹葉柳蒡湯。
・風熱や風湿熱の湿疹や蕁麻疹の痒みに。
方剤例 → 蝉蛻散・消風散。

③退翳明目
・風熱による目の充血や角膜混濁に。
方剤例 → 蝉花散。

④祛風解痙
・破傷風の痙攣に。
方剤例 → 五虎追風散。
・熱極生風のひきつりや痙攣に。
方剤例 → 清熱熄風湯。
・小児の夜泣きに。


<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『まんが漢方入門』 医道の日本社
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

下野

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