「臊(あぶら)のような臭いを発する患者さんをみて感じたことです。
74歳男性
大腿部裏側の痛みや痺れがきつく
数十分も続けて歩くことが出来ず
一度痛みがピークになると暫く休まないと
行動することが困難な状態。
素問「金匱真言論篇」には
体臭などから臊(あぶら)くさい臭いを発するのは
「肝と関係する」
と大雑把ではあるが記載が診られるので
肝との関わりが本当にあるのかを考察してみた。
まず、
症状が筋肉の痛みや痺れなので
肝と筋の繋がりがあることから
大きな括りとして関係している。
さらに肝を傷つける要因がないのか詳しく聞いてみると、
未だに現役で仕事をしているそうで、
月~金の週5日間、
朝から夕方まで
パソコンをほぼ一日中見ており、
涙が出やすい症状があるなど
ここでも肝と目の繋がりがある。
その他には、
舌の深い裂紋
数弦脈
肝の相火の皮膚の枯れた内にこもったような熱
などの反応を含めて
「肝陰虚」の状態が顕著にあるのだとみて
滋陰降火を目的とした治療を施したところ
痛みの程度に動きが出てきている。
これらのことから
「脂臭い臭いは肝と関係する」ということが
一定あるように感じました。
今後、
症状の変化と臊(あぶら)のような臭いがどの様に変化していくか
経過を追って行きたいと思います。」