下野です。
上の画像は、
油井宇宙飛行士がISSより撮影した
夜の大阪です。
油井飛行士は忙しい中毎日投稿され、
国内外の夜景などを撮影されています。
ご興味のある方は
一度 見てみて下さいね。
では『薬性の歌』に参ります。
【原文】
蒲黄味甘、逐瘀止崩、補血須炒、破血宜生。
蘇木甘鹹、能行積血、產後月経、兼医撲跌。
桃仁甘寒、能潤大腸、通経破瘀、血瘕堪嘗。
紅花辛温、最消瘀血、多則通経、少則養血。
薑黄味辛、消癰破血、心腹疼痛、下気最捷。
<第二十五に続く>
【解説】
蒲黄は味甘。
瘀血を散じ、血崩を止める。
血を補うには炒用、
破血には生用が宜し。
蘇木は甘鹹。
積血を走散するので、
産後瘀阻の痛みや、
打撲による疼痛に用いる。
桃仁は甘寒。
大腸を潤して経を通し、
瘀を破り、血瘕に用いる。
紅花は辛温。
瘀熱を消すのに適す。
多用すれば通経し、
少用すれば養血する。
薑黄は味辛。
癰を消して破血し、
心腹の痛みに用いる。
行気の力が非常に強い。
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◉蒲黄
ガマ科のヒメガマや
ガマなどの成熟した花粉を乾燥したもの。
性味:甘・平
帰経:肝・心包
効能:
①止血
・鼻出血や歯、吐血、喀血、血尿など各種出血に用いる。
・外傷性の出血にも用いる。
②活血散瘀
・血瘀の月経痛や無月経、腹痛、産後瘀阻に。
方剤例 → 失笑散。
・打撲外傷の痛みや腫れに。
・重舌、口内炎、舌の出血に。
③その他
・血淋の排尿時痛や血尿に。
方剤例 → 蒲黄散
◉蘇木
マメ科のスホウの心材を乾燥したもの。
性味:甘・鹹・辛・平
帰経:心・肝・脾
効能:
①活血祛瘀・消腫止痛
・血瘀の月経痛や無月経、産後の瘀阻に。
方剤例 → 通経丸。
・打撲外傷の痛みや腫れに。
方剤例 → 八厘散・通導散。
②その他
・蕁麻疹の痒みや中風、破傷風にも。
◉桃仁
バラ科のモモやノモモなどの成熟種子。
性味:苦・甘・平
帰経:心・肝・大腸
※本多先生による解説はこちら → 桃核承気湯 / 腹證奇覧
※為沢先生による解説はこちら
→ 【古医書】傷寒論: 弁太陽病脈証并治(中)百二十三章・百二十四章
同じバラ科でアンズの種子である
杏仁がありますが、
効能や見た目がよく似ており、
熟知しておかないと
鑑別は困難であると言われています。
◉紅花
キク科のベニバナの花。
性味:辛・温
帰経:心・肝
効能:
①活血通経
・血瘀の無月経や月経痛、腹内腫瘤に。
方剤例 → 桃紅四物湯・活血通経湯・紅藍花酒・紅花湯。
・難産や死産の娩出に。
方剤例 → 脱花煎。
②袪瘀止痛
・打撲外傷の内出血の痛みや腫れに。
方剤例 → 八厘散。
・熱毒内盛、気滞血瘀の皮膚化膿症の腫れや痛みに。
・血瘀の狭心痛みに。
方剤例 → 冠心Ⅱ号。
◉薑黄
ショウガ科のウコン、ハルウコンの根を
湯通しして乾燥させたもの。
性味:辛・苦・温
帰経:肝・脾
効能:
①破血行気・通経止痛
・気滞血瘀の胸脇部痛、無月経、月経痛、月経不順、
産後の瘀阻の腹痛などに。
方剤例 → 姜黄散・姜黄丸。
・打撲外傷の腫れや痛みに。
方剤例 → 姜黄湯。
②祛風勝湿
・風湿痺の肩〜上肢の痛みに。
方剤例 → 蠲痺湯・舒筋湯。
③その他
・火鬱三焦に。
方剤例 → 昇降散。
<参考文献>
『万病回春解説』 創元社
『万病回春.巻之1-8』 早稲田大学 古典籍総合データベース
『まんが漢方入門』 医道の日本社
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版株式会社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
下野