こんにちは北野です。
今回は以前に紹介した弁証(弁証論治について)の中の
八綱弁証について書いていきたいと思います。
八綱とは、
表・裏・寒・熱・虚・実・陰・陽を指し、
証候を分析するための総綱である。
四診によって得られた情報を総合的に分析し、
病変の部位と性質、
疾病過程における正気と邪気の
盛衰などの状況を解明するのが、
この八綱弁証である。
八綱弁証を用いて診断すると、
臨床所見が複雑であっても、
それを表裏、寒熱、虚実、陰陽という
4対の綱領によって証候に分類することができる。
表裏は病位の深浅を、
寒熱は疾病の性質を、
虚実は正気と邪気の盛衰を示す。
また、陰陽はこれらを統括して疾病の類型を表す。
陽には表・熱・実
陰には裏・寒・虚
八綱の相互関係について
八綱は相互に関連しあっており、
一つ一つ切り離して考える事はできない。
そのため、
表裏を弁別するときは寒熱、虚実と、
寒熱を弁別するときは表裏、虚実と、
虚実を弁別するときは表裏、寒熱と
結びつけて考える必要がある。
また、疾病の変化は複雑なため、
表裏、寒熱、虚実が
それぞれ同時に出現したり、
転化がみられたり、
疾病の本質とは異なる
仮の現象が出現するなど、
様々な状況が生じる。
次回は八綱弁証の中の表裏について書いていきたいと思います。
参考文献:
『中医診断学ノート』 東洋学術出版社
『針灸学』 東洋学術出版社
北野