夕焼け(電車の窓から)
夕焼け(電車の窓から)

 


大原です。
五臓六腑の臓腑間には生理的に
密接な関連があります。

そのため、病理的にも
一つの臓腑から他の臓腑へ影響を及ぼします。

このうち、肝気の疏泄失調と脾の運化作用が
因果をなしているものを「肝脾不和」といいます。

肝脾不和には、
内傷である七情で肝気が鬱結することで
脾の運化作用を失調させる「肝気犯脾」と、
反対に、脾の運化作用が失調することで
肝の陰血を養うことができないために
肝気の高ぶりを抑え込めなくなる「脾虚肝乗」
あります。

これら二つは実際には混在していることが多く、
治法は、病態に応じて疏肝、柔肝、健脾を
適宜使い分けることが必要となります。

五行で、肝は「木」、脾は「土」に
置き換えられることから、
肝脾不和を五行で表すと
「木乗土」「土虚木乗」となります。

ちなみに、「木」と「土」の
正常な関係は「木剋土」と表され、
「木」は「土」を剋して疏泄するので
脾気の運化機能は
適度な肝気の疏泄・条達によって
正常に保たれているといえます。

もう少し「木」と「土」の関係を掘り下げると、
脾湿が過剰になり
脾土の運化機能が太過になった場合、
肝木の疏泄機能が働かなくなり
「土侮木」反剋ともいいます))、
結局は脾の運化機能にも異常をきたし、
飲食減少、胃もたれ、腹張、腸鳴、
水様性下痢などの病変が現れます。

次回に続きます。


参考文献:

『中医病因病機学』 東洋学術出版社
『基礎中医学』 燎原
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社

*画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。

大原

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