下積み修行中の冠木のお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参ります。
どうか見守り 応援してやって下さい。


 

文学から東洋医学に繋げる≪伍≫

兵庫県立美術館にて
兵庫県立美術館にて

 

今回は、太宰治さん「人間失格」:新潮文庫の
単語や文章から繋げていきたいと思います。

「雨に濡れたら痛くなった…」

を文章で説明するとこうなりました!!
空間的・時間的にある範囲にわたって
空から水滴が降ってくる現象。
また、その水滴。
なるほど…当たり前といえば当たり前ですが((笑))

東洋医学で雨に濡れるとは?
「川を渡ったり、雨に濡れたり、長い間じめじめした所に住んでいる、
長時間にわたり水中作業をするなどによって現れた病は
みな湿邪に侵入された結果として生じたのである…」

湿とはなんぞや?
湿は長夏の主気である。
「 長夏?長い夏のこと?」
夏と秋の間の大暑(陽暦7/23頃)~白露(陽暦9/8頃)までの期間を言います。

そして湿は湿でも内・外の区別があるんです!!
 外湿六淫の一つで、
高温多湿な場所、雨に濡れるなど外部の湿邪が侵入して起こります。
六淫て何ー?」
はい。「淫」は病邪の意味で、
風・寒・暑・湿・燥・火の6種類の気候的要素で
多過ぎたり不足、時期外れの出現により
発病を促す邪気のことです。

内湿は病理的産物であるだけでなく
発病要素でもあります。

の運化機能が正常に働かず、
水湿の停滞・積聚を起こしたことにより
生成されることが多いのです。
の生理機能については、こちらです☆→脾の生理機能

内湿の形成は、
多くが飲食の不摂生
【例】
生もの→お刺身、サラダ
冷たいもの→アイスクリーム、ジュース、氷
油っこいもの→揚げ物
甘いもの→お菓子
酒・果物・過食・飢餓などにより
脾胃を損傷して運化機能が失調し、
津液が運輸・転化されなくなって湿が体内に形成され
一定箇所に積聚したもので
下痢・腫満・飲邪などを引き起こします。

どんな性質なん?

1.湿は重濁…重くて濁ってるん?
「重」⇒重い、または重く付着するという意味で、
全身に重が及べば、四肢の筋肉がだるくて重く、
関節が重く痛いなどの症状が現れます。

「濁」⇒汚濁、汚れという意味で
症状としては顔が垢だらけで目やにがつく、
痰液が濁る、大便が濁って泥のようになる・柔らかく便器につきやすい、
帯下が濁るなどがあります。

2.「粘滞」で、ねばねばする、停滞します。
「ねっとりしてたら、取れにくそー。ガムふんづけたみたい(笑)」
「これが身体の中で起こると、なかなかやっかいそうやなぁ。」

3.湿は陰邪であり、陽気を損傷して気機を阻滞させやすいので
滞ってものを塞ぎやすく、気機の流れを阻みます。
【例】頭が重い、嘔吐、下痢、浮腫など
陰邪:湿・寒
陽邪:風・熱・暑・火・燥

4.湿は水と同じで下に向かう性質があり、
下に集まる特徴があります。

これより先は湿邪弁証へと参りましょう。
●外湿証
湿邪が肌表に鬱し、経絡が阻滞しいる状態。
【症状】悪寒・発熱・頭張感・身重感・精神疲労・四肢の浮腫・関節の酸痛など

●内湿証
湿邪が中焦に集まり、全身に氾濫する状態。
飲食の不摂生や労倦内傷などの要因で脾虚となり
湿飲が停滞して起こることが多い。
【症状】胃のつかえ・食欲不振・下痢・倦怠感・など

●風湿証
風邪と湿邪が合わさって人体に侵襲して起こる状態。
【症状】頭痛・悪寒・自汗・身重感・関節の酸痛・食欲不振など

●寒湿証
寒邪と湿邪が合わさって経絡や臓腑に侵襲して起こる状態。
【症状】肢節の運動不利・胸脘部の痞満・嘔吐・下痢・咳喘など

●湿熱証
湿と熱が合わさり人体に侵襲して起こる状態。
【症状】身熱不揚・口渇はあるが多陰しない・午後に熱がひどくなるなど

●痺証
風寒湿の三気が混じって肌表・経絡に侵襲して
経脈が塞がり気血の巡りが悪くなり、筋肉や関節の運動不利が起こる。
【症状】関節や肌肉の酸痛・屈伸不利

*中医学における「痺証」は、
リウマチ、リウマチ様関節炎、慢性関節炎、坐骨神経痛、
頚椎症、五十肩、痛風、神経痛、筋肉痛などの病証を包括しています。


参考文献:
『中医弁証学』
『中医病因病機学』
『中医基本用語辞典』
『[標準]中医内科学』
『いかに弁証論治するか』 東洋学術出版社
『新明解国語辞典』 三省堂

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

冠木

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