面赤して眼白く、面赤して目青く、
面青して目黄に、面青して目白く、
面黄にして目青く、面白にして目黒く、
面黒して目白きはみな死すとしるべし。
面黒くして唇青く、面青して唇黒く、
面精彩なく、土色にて食を受けず、
目に精光なく、歯黒く、耳目顴頬赤く、
黒色額上より出て直に鼻背両顴の上に下り、
黒色戓は白色出、目鼻口に入、
両頬赤く一切に不言、熱なくして妄語、
衣の縫(ぬい)めを循(な)で
床を摸(さぐ)り空をつかみ、
久病、虫下り、載眼(めをみつめ)し、
目眶(まぶた)おちいり、
眉かたふき、髪直麻の如く、
沢(うる)ひなく、鬚竪唇青く、
人中反り、唇反り人中満(はれ)唇口たちまち乾き、
唇腫、歯焦れ、歯たちまち黒くなり、
舌巻き卯縮(へのこちじま)り、汗出て流れず、
歯黄み落、遺尿おぼへず、爪甲青く戓は白く、
爪甲の肉黒く、陰陽倶に閉て、失音神気不守、
声嘶(か)れ、食を見て後むき、項の筋舒び、
尸臭く、手の内の紋なく、足の甲又裏はれ。
(鍼灸重宝記より)