間或ハ孕育十月ノ中ニ於テ
經水下コトアレモ其胎ノ患ナキ所以ノ
者ハ其婦ノ天稟血分有餘ノ質ニシテ
精胎ヲ養フノ外ナヲ所泄ノ餘血アリテ下之
其其者ハ按月經行シテ●孕ノ時ノ如シ
号テ盛胎ト云。和ニテ畜生孕トス
此亦婦血ノ大充盛ノ者ナリ。
故ニ漏血スレモ胎ヲ養フニ
不足ナキヲ以テ損胎ニ至ラズ
母モ亦患ナシトス。
(引用:『医学三蔵弁解』岡本 一抱著 京都大学附属図書館所蔵 富士川文庫目録より)
妊娠中の出血について書かれたものです。
出血があると流産と言う言葉が脳裏をよぎりますが、
先天的に血が有余している体質のものは、
余血が出ているだけで、胎児を十分養うことができると
いった事が書かれております。