こんにちは、為沢です。
一鍼堂に通院されている方は
お気づきかも知れませんが、12月より
先生方、皆同じ眼鏡を装着しております。
実は院長から御用意して頂いたものでして、
皆、ジョン・レノンのような丸眼鏡で
患者さんを診ております。
で、その丸眼鏡を描いてみました。
私、人生の半分は眼鏡をかけておりますが
丸眼鏡は初めてで、眼鏡酔いで慣れるのに
一日を要しました。今は大丈夫です。
院長、ありがとうございます。
大事に使わせて頂きます。
ここからは、張仲景の古医書『傷寒論』の解説です。
今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(中)百一章と百二章。
百一章では小柴胡湯の応用について。
また、小柴胡湯のポイントが枢を解くことにあることを述べており、
百二章では中焦が虚して、表から裏へ邪が入ろうとしている場合
の証治について詳しく述べております。
弁太陽病脈証并治(中)百一章
傷寒中風、有柴胡証、但見一証便是、不必悉具。
凡柴胡湯病証而下之、若柴胡証不罷者、復与柴胡湯、
必蒸蒸而振、却復発熱汗出而解。
和訓:
傷寒中風、柴胡の証あり、
但だ一証を見わせば便ち是なり。必ずしも悉くは具えず。
凡そ柴胡湯の病証なれど之を下し、
若し柴胡の証罷まざるものは、復た柴胡湯を与うれば、
必ず蒸蒸として振い、却って復た発熱し汗出でて解す。
・傷寒中風、有柴胡証、但見一証便是、不必悉具
「傷寒、中風」というのは九十六章の
「傷寒、或いは中風にかかって5〜6日目」という意味であり、
柴胡湯証の発病病理が、太陽病より伝わり
生じるというを強調するものである。
往来寒熱、胸脇苦満、嘿嘿不欲飲食、心煩喜嘔という四つの症状は
全て表証より半表半裏に内伝し必然的に生じたものであるから、
そのうち一つでも現れれば、
その病理に把握できるので小柴胡湯を用いて治療すればよい。
全ての症状を待つ必要はない。
・凡柴胡湯病証而下之、若柴胡証不罷者、復与柴胡湯、
少陽は枢(1 開き口を回転させるため、
戸口の上下の框(かまち)に設けた穴。2 戸。扉。)を
主っており少陽の病は外に出れば表証となり、内伝すれば裏証となる。
これに対して柴胡湯は発汗法、下法を用いることなく、
少陽枢の働きを回復させて
正気を外に致らせることにより治療するという点で優れている。
これに対し、少陽病に下法を行うのは誤治であり、
中焦を傷つけて内に入りやすくなる。
ところが、この章のように下法を行っても
柴胡湯の症状が去らない場合は、
裏証にならないだけでも幸運であり、
枢を働かせて表を解く力が残っているということなので、
もう一度小柴胡湯を与えて枢を解いてやればよい。
・必蒸蒸而振、却復発熱汗出而解
「蒸蒸而振」とは
戦汗(戦慄して発汗すること)を述べたもので、
正気が薬力の助けを得て、邪を外に追いだそうとするときに身体は
ブルブルと振るえるが、発熱して汗が出れば
この邪は解かれて治るときの状況を述べている。
久病、或いは誤治の後で正気は損傷したが、
まだ邪に対抗する力は残っている場合に多く現れ、
正邪の争いが比較的明かな場合にみられる症状である。
提要:
小柴胡湯の応用について。
また、小柴胡湯のポイントが枢を解くことにあることを述べている。
訳:
傷寒あるいは中風に罹り、そして柴胡湯証が出現していれば、
そのうち一二の主証がみられさえすれば充分で、
全部の証候が出そろうまで待つ必要はない。
およそ柴胡湯の適応病証を誤って攻下した後も、
もし柴胡証が依然として残っているならば、
柴胡湯で再び治療すればよいが、服薬すると必ず激しい寒戦がおこり、
その後に発熱して汗が出て病が除かれる。
弁太陽病脈証并治(中)百二章
傷寒二三日、心中悸而煩者、小建中湯主之。五十二。用前第五十一方。
和訓:
傷寒二三日、心中悸して煩する者は、小建中湯之を主る。五十二。前の第五十一方を用う。
傷寒で2~3日目に動悸がして
気分がイライラするというのは、
脾虚により心血が不足しているところへ、
表邪が影響したために生じた煩であるから
治療は中焦を調えて気を益し血が生じるようにすればよい。
血は中焦で吸収された水穀の精微・津液に、
気が作用して赤く変化したものであるから、
動悸には中焦を調えて血が生じるようにすれば鎮まる。
それには小建中湯を用いて、
補脾、益気、生血を図るようにすればよい。
小建中湯
こちらを参照→【古医書】傷寒論: 弁太陽病脈証并治(中)九十九章・百章
・
提要:
中焦が虚して、表から裏へ邪が入ろうとしている場合の証治について。
訳:
傷寒の病に罹って、二三日が経ち、心中に悸動を覚えイライラして
落ちつかなくなったものは、小建中湯で治療してよい。
第五十二法。前記第五十一法の処方を用いる。
参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』 績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社生薬
イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
為沢
こんにちは。
丸眼鏡、そういう事だったんですね。
先日、新川先生の眼鏡が変わってるなぁ~
と思ってみてました。
私は先生が眼鏡をかけていたかどうかさえ
思い出せない時もあるくらい、見えてるもの
を見てないところがあるので、そういう事に
はあまり気付かない方なのですが、帰る前
に気付きました。(^^;
そして、心の中で「ジョン・レノンかよ!!!」
と突っ込みいれてました。(笑)
でもお似合いでしたよ!
個性的だけど、意外と皆さん似合いそうですね。
しかし、なぜおそろいに?
こんにちは、tatsukyonさん。
皆、丸眼鏡は一鍼堂の制服のようにしたいとの院長の考えからです。
ジョン・レノンさんは丸眼鏡かけている人の例えで
連想しやすいかなと思い挙げましたが
実家で「ジョン・レノンみたいやな」と
姉に指摘されたせいかも知れません(笑)
例えとしては他に滝廉太郎さんとかでも良かったんですけどね(^^ゞ