朝焼け 四国にて
朝焼け 四国にて

どうも、新川です。

先日、
深夜発のフェリーに乗り込み、
四国へ行ってきました。

早朝に到着し、
ふらふらしていたときに
撮った朝焼けです。

道中、
地元の方と少しだけ御話できる機会がありまして、
独特の方言がやけに温かく感じました。



さて今回は、
奇病論篇についてです。


今回は、奇病論篇について綴って参ります。
本来ならここにまとめてある以上の内容がありますが、
なるべく分かりやすくするため、
一部を抜粋して表現させて頂いております。


【奇病論篇 四十七】

黄帝が問う。
婦人が妊娠九ヶ月になって、声が出なくなることがあるが、
これはどうしてか。」

岐伯がいう。
子宮に分布している絡脈が、胎児に圧迫されて、
阻まれて不通になるから
です。」

黄帝がいう。
「それはどのように解釈したらよいのか。」

岐伯が答える。
子宮の絡脈は腎蔵と連係しています。
その少陰腎経の経脈は腎蔵を通過して舌根に連係しています。
そこで子宮の絡脈が阻害されると、声が出なくなるのです。」

黄帝がまたいう。
「治療はどうするのか。」

岐伯がいう。
治療の必要はありません。
満十ヶ月になって分娩すれば、自然に治ります。
刺鍼法でも
『不足のものを更に損じたり、有余のものをさらに益したりといった誤治によって疾病を悪化させてはならない』
と述べ、必ずその有余不足を詳しく診察し、
その後で適当な処置をするように戒めています。
ここで、
『不足を損ずることなかれ』
といっているのは、
つまり身体が疲労衰弱している者には、
鍼石を用いる瀉法を行ってはならないということです。
『有余を益することなかれ』
とは、腹中に已に妊娠している場合に、攻下法を乱用すると、
その結果として精気が消耗され、胎児が傷つけられて疾病が増悪することを指しています。
つまり盲目的な処置は、疾病を反って悪化させるというわけです。」

黄帝がいう。
「脇下が脹満し、
気が上逆して息苦しい病状が、二、三年も治らない場合があるが、
これは何の病なのか。」

岐伯がいう。
「これは息積という病です。
食欲は妨げられません。
治療には決して灸や鍼をしてはいけません。
必ず導引によって気血の流れを整え、
同時に薬物を併用して、徐々に治療します。
薬物療法だけで治療することもできません。」

息積
・〔『霊枢』〕百病始生篇の説
「〔虚邪が〕稽留して去らず、生長すると積と成る。」

・『聖済総録』の説
「気が脇下に集まって、生長して消えず積み重なって消散せず、
そのため胸が充満し上逆して発病する。
しかし気は外〔府〕に満ちていて、胃府とは関係ないので、
飲食は妨げられない。」

黄帝がいう。
「身体の腰部、大腿、下腿がすべて腫脹し、
臍のまわりが痛む患者がいるが、これは何の病なのか。」

岐伯がいう。
伏梁という病です。
これは風邪が久しく体内に留まるために起こります。
この種の邪気は大腸の外面に広く分布し、
肓膜に付着していますが、
肓膜の起始部は臍下なので、
臍のまわりが痛むのです。
軽々しく按摩して動かしてはいけません。
さもないと小便が出にくい病変が起こる恐れがあります。」

伏梁
脘腹部に塊状の
痞満(「痞」とは脘腹部がつまって通じないこと)がある病証のこと。
主に臍上から心窩部にかけて腫塊があり、
それが上下左右に移動して治りにくい。
寒熱互結・気血阻滞によって起こる事が多い。

黄帝がいう。
「病人の尺脈が跳動して速く、
筋肉がひきつれて収縮し、外からもこれを見ることがあるが、
これは何の病であるか。」

岐伯がいう。
「この病は疹筋といいます。
この患者の腹部は必ず脹ってひきつれています。
もし皮膚上に白色あるいは黒色が現れると、
病状はさらに重症となります。」

★黄帝がまたいう。
「頭痛を病んで数年も治らないものがいるが、
またどうして起こるのか。
これはどんな病であるのか。」
岐伯がいう。
「非常に激しい寒気を受けたために、
寒気が骨髄の中に侵入して起こります。
人体の骨髄は脳をその主としており、
寒気が上に向かって脳を侵犯すると、
そこで頭痛や歯痛の病状が発生するのです。
病名を厥逆とよびます。」
黄帝がいう。
「よくわかった。」

黄帝がいう。
「口の中が甘くなる病があるが、
これは何の病か。どのようにして起こるのか。」

岐伯がいう。
「これは五味の精気が上に向かって溢れたためで、
病名は脾癉といいます。食物は口から入って胃に蔵められますが、
必ず脾蔵の動きによって運化され、
食物の精微として輸送されなくてはなりません。
ところが脾蔵が熱のためにその正常機能を失いますと、
運化されない津液が脾に停留し、
口内に甘味を感じるようになります。
(脾が口に開竅しているため)
これは栄養豊富な美食を摂りすぎたために誘発された疾病です。
この病になると、みな濃厚な食物を好んで食べるようになります。
濃厚な食味は人の体内に熱を生み、
甘味は人の胸腹を張満させます。

それで脾の運化機能は失調し、精気が上に溢れ、消渇病となるのです。
この種の病には※蘭草を用いて、蓄積された熱気を排除するのです。」

※蘭草
張景岳 の説
「蘭草は性味が甘寒で、水道を利し、不祥を避け、
胸中の痰癖〔陳旧化した痰飲により起こる病症〕を除く。
その気は清香で、よく津液を生じ渇きを止め、
肌肉を潤すので、蓄積した熱気を除くことができる。」

黄帝がいう。
「口の中が苦くなる病があり、
陽陵泉穴を刺鍼しても口苦が治らないが、
これは何病であるか。
またどうして発病するのか。」

岐伯がいう。
「病名を胆癉といいます。
肝蔵は将軍の官であって、
その決断は胆の役目であり、
咽喉は肝の支配を受けています。
胆癉の患者は、常に思慮の決断ができないで悶々として悩んでいるので、
胆は正常な機能を失調し、胆汁が上に向かって溢れます。
それで口中が苦くなるのです。胆募と胆兪の二穴を刺鍼しなくてはなりません。
治療法は古医書『陰陽十二官相使』に記載されています。」

胆癉
馬蒔の説
「この病はすなわち胆気の熱である。」
胆の府が熱を受けて発生した癉症〔黄疸病〕である。

「小便がしたたり十分に出ないで、
一日に数十回も尿意を催すのは、
これは不足の現象である。
身体が熱して炭火のように熱く、
頸部と胸部の間がつまって通らないような感覚があり、
人迎脈が速く盛んで、
呼吸があえいでぜいぜいし、
気が上逆するのは、これは有余の病象を現している。
寸口脈が頭髪のように細いのは、不足の現象である。
この病の原因は一体どこにあるのであろうか。
病名は何というのであろうか。」

岐伯がいう。
「その病の根本は太陰経にあり、
胃熱が亢進して起こります。
症状は却って肺で重くなっていて、
病名はとよんでいます。
これは治療法がない死症です。
これがいわゆる五有余、二不足という病症です。」
黄帝がいう。
「どうして五有余、二不足というのか。」
岐伯がいう。

「五有余というのは、喘息や気逆などの五種の〔邪気〕が有り余った病態のことです。
二不足とは、脈が細などの〔正気が〕不足した症状のことです。
今、一つの病で、外には五つの有余が見られ、
内には二つの不足が見られるので、
有余としてその表を攻めることもできないし、
不足としてその裏を補うこともできません。
だから死病であることは間違いありません。」

五有余、二不足
馬蒔の説
「身 熱すること炭の如しといい、
頚膺は格する如しといい、
人迎は躁盛といい、
喘息といい、
気逆という。
これが五有余である。

微細なること髪の如く〔右手寸口太陰の脈〕
癃を病み一日に数十溲〔小便がしぶり、しかも頻数〕
なのが、二不足である。」

黄帝がいう。
「生まれつき癲癇を病む人がいるが、
病名を何というのか。
またどうしてこの病にかかるのか。」

岐伯がいう。
「病名は胎病といいます。
これは胎児が母親の胎内にいたときに、
母親が非常に大きな精神的ショックを受け、
気が上逆して下らず、精気も集まって散らなくなり、
その影響が胎児に波及したのです。
そのために子供は生まれながらの癲癇病となったのです。」

癲癇
癇証〔癲癇・羊癇風〕
発作的に生じる意識障害を指す。
症状としては、
発作的な精神恍惚状態・突然の昏倒・意識障害
口から涎を吐く・両目が反転する
四肢の痙攣・悲鳴をあげる などである。
一時的な意識障害から回復すると、
疲労感は残るが正常の状態に戻る。
しかし、発作は反復して起こることが多い。
本病は多くの場合、強い精神的ショックを受けることによって、
肝腎を損傷して腎虚肝旺となり、
肝風内動を引き起こし、
風痰が気に従って上逆することにより発症する。
治療では、標本虚実をはっきりさせる。
頻繁に発作を起こす場合は、
治標を中心にし、
滌痰熄風・開竅瀉火を行う。
平素は治本を主とし、
健脾補腎・養心安神を行う。
癇証は、風痰癇、痰火癇、陰虚癇に分けられる。

黄帝がいう。

「顔が水気のある浮腫状になって、
脈搏は大で緊であり、身体に痛みはなく、
痩せてもいないが、あまり物は食べられず、
食べてもほんの少ししか食べないという患者がいるが、
これは何病であるか。」
岐伯がいう。
「この病は腎に発するので、病名は腎風といいます。
腎風を患って、物が食べられなくなり、
驚きやすいような段階にまで進行すると、
往々にして驚いた後で、
心気が衰え竭きて死亡します。」
黄帝がいう。
「よくわかった。」


黄帝問曰、人有重身。九月而瘖、此為何也。
岐伯対曰、胞之絡脈絶也。
帝曰、何以言之。
岐伯曰、胞絡者、繋於腎。少陰之脈、貫腎繋舌本。故不能言。
帝曰、治之奈何。
岐伯曰。無治也。当十月復。刺法曰、無損不足、益有余、以成其疹、然後調之。所謂無損不足者、身羸痩、無用鑱石也。
無益其有余者、腹中有形而泄之、泄之則精出而病独擅中。故曰疹成也。

帝曰、病脇下満、気逆、二三歳不已。是為何病。
岐伯曰、病名曰息積。此不妨於食。不可灸刺。積為導引服薬。薬不能独治也。
帝曰、人有身体髀股䯒皆腫、環斉而痛。是為何病。
岐伯曰、病名曰伏梁。此風根也。其気溢於大腸、而著於肓。肓之原在斉下。故環斉而痛也。不可動之。動之為水溺濇之病也。

帝曰、人有尺脈数甚、筋急而見。此為何病。
岐伯曰、此所謂疹筋。是人腹必急。白色黒色見、則病甚。
帝曰、人有病頭痛、以数歳不已。此安得之、名為何病。
岐伯曰、当有所犯大寒、内至骨髄。髄者以脳為主。脳逆。故令頭痛、歯亦痛。病名曰厥逆。
帝曰、善。

帝曰、有病口甘者。病名為何。何以得之。
岐伯曰、此五気之溢也。名曰脾癉。夫五味入口、蔵於胃、脾為之行其精気、津液在脾。故令人口甘也。此肥美之所発也。
此人必数食甘美而多肥也。肥者令人内熱、甘者令人中満。故其気上溢、転為消渇。治之以蘭、除陳気也。

帝曰、有病口苦。取陽陵泉、口苦者、病名為何。何以得之。
岐伯曰、病名曰胆癉。夫肝者、中之将也。取決於胆、咽為之使。此人者、数謀慮不決。故胆虚、気上溢、而口為之苦。治之以胆募兪。
治在『陰陽十二官相使』中。

帝曰、有癃者。一日数十溲、此不足也。身熱如炭、頸膺如格、人迎躁盛、喘息、気逆、此有余也。
太陰脈微細如髮者、此不足也。其病安在、名為何病。
岐伯曰、病在太陰、其盛在胃、頗在肺。病名曰厥。死不治。此所謂得五有余二不足也。
帝曰、何謂五有余二不足。
岐伯曰、所謂五有余者、五病之気有余也。二不足者、亦病気之不足也。今外得五有余、内得二不足、此其身不表不裏。亦正死明矣。

帝曰、人生而有病巓疾者。病名曰何。安所得之。
岐伯曰、病名為胎病。此得之在母腹中時。其母有所大驚、気上而不下、精気并居。故令子発為巓疾也。
帝曰、有病痝然如有水状、切其脈大緊、身無痛者。形不痩、不能食、食少。名為何病。
岐伯曰、病生在腎。名為腎風。腎風而不能食、善驚、驚已、心気痿者死。
帝曰、善。


参考文献:
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『臓腑経絡学』 アルテミシア
『素問ハンドブック』 医道の日本社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

新川

2 コメント

  1. 先生、おはようございます。朝焼けきれいですね。早起きして朝焼けが見られるくらいの時間にウォーキングが出来たら気持ちいいやろなって思うんですがいつもギリギリまで寝てしまいます^_^;
    両親の実家が愛媛なので、四国の言葉はとても親近感があります。
    でも、四県それぞれ特長があるようで(^^)

    • haru☆ai  さん
      こんにちは。
      コメントありがとうございます。

      朝焼けの写真は、
      夜と朝の狭間
      これから人も街も動き出そうとする
      そんな空気の中で撮影しました。

      言葉もそうですが、
      その土地に住む人の気質や人との距離感などを
      感じることが出来た時、
      そんな時にいい旅行だったなと感じることが多いように思います。

      また方言については勉強しておきます(笑)

      新川

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