こんにちは。大濱です。
章門の穴性について調べた事を記してしていきます。

章門は足厥陰肝経の脇肋部の経穴です。

< 要穴 >
○ 足厥陰肝経絡と足少陽胆経の交会穴
○ 脾の経気が集まる脾の募穴
○ 五臓の気が集まる臓会穴
○ 季肋端で帯脈と少陽経と交差する

足厥陰肝経は、他経との交会として、
任脈の曲骨、中極、関元
足太陰脾経の三陰交、衝門、府舎で交会する。

< 効能 >
疏肝利胆 健脾益胃

< 治療範囲 >

1. 肝胆脾病
肝気は欝結、犯胃、乗脾しやすく血瘀を形成しやすい。
肝気が原因となっておこる肝気犯胃、肝脾不和、肝胆不和、脇肋部の疼痛、肝脾積塊などの病証。

 

2. 積聚
足厥陰経は、脇肋部に走行している。
また足少陽脈は、脇裏に循行し季肋部を経過している。
章門は足厥陰と少陽経の交会穴であり
季肋端に位置し、気機の流れに影響しやすく滞りやすい。
半表半裏の少陽経は、太陽経と陽明経の間にあるため、気滞、瘀血、痰湿、邪熱など
「邪の吹き溜まり」になりやすい。
本穴には様々な邪を払う作用がある。

積聚は(腹内の結塊)で中焦の腹部に疼痛や腹脹が生じる病態を言う。
「積」は形があり、固定痛があり、
血分に属する病であり多くは臓病である。
「聚」は形がなく散じて動き、痛む場所は定まらない。
気分に属する病であり多くは腑病である。

積聚は先ず気がることが長く続き、
その後血瘀して積となるのである。

積聚の成立過程については、
『霊枢・百病始生篇』(第六十六)に記されている。

「積之始生.得寒乃生.厥乃成積也.
厥氣生足悗.悗生脛寒.
脛寒則血脉凝濇.血脉凝濇.
則寒氣上入于腸胃.入於腸胃.
則昔脹.昔脹則腸外之汁沫.
迫聚不得散.日以成積.」

(意訳)
積聚の始まりの多くは、初めに寒邪を受け身体が冷え、その冷えが下半身から上部へ拡がっていき、
その冷えが胃腸に影響して積聚が作られていく
と述べられている。

章門は足の厥陰と少陰の会、経の募穴である。
臓会でもある章門は五臓の寒気を散らし
中焦の積滞を化し痰瘀を消して運化を助ける。

 

経穴彙解
「経穴彙解」を勉強しながら模写しました。

 


《参考文献》
『臨床経穴学』 著:李世珍
『穴性学ハンドブック』 著:佐藤弘 伴尚志
『腧穴学』 主編:楊甲三
『経穴解説』 著:藤本蓮風
『現代語訳・黄帝内経霊枢』  東洋学術出版

 

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