勉強になる症例があったのでご紹介します。

中医臨床大系 傷寒論 P132

「患者。女、38歳。既往に肺結核があり、感冒に罹患し未治療。突然寒熱が止んで声がかれ、喉が痛み、咳と痰が出る。旧病の誘発をひどく恐れて、1974年4月25日に来診した。舌質淡白、少し苔があり、脈象は沈遅細弱、これは感冒を治療しなかったため、寒邪が少陰経を犯したもので、麻黄附子細辛湯と加味二陳丸を合わせたもので治療することにした。処方麻黄3銭、附子片3銭、細辛5分、石菖蒲1.5銭、法半夏3銭、二剤投与し、煎服させた。二日して患者が来診していうには、二剤を服し終ったら声が元に戻り、痛みが止んだ。続いて結核の治療方を求めたので補肺益胃剤を与えて、常服させた。(「新中医」1975年第3期25頁)」

ここからわかる事は、例え少陰太陽の合病でもベースにある体質によって傷寒論の処方内容を変更してその人にあった方剤を作り出している点です。

傷寒論の方剤はあくまで「傷寒」に対しての処方なので漠然と長期服用させない方がいいものが多いです。

ただ、スパッと使って治す際も機械的に運用せずに、ベースにある体質を考慮して石菖蒲と法半夏を入れています。

そこで治ると次の段階へ移っている事から標本が分別されていて勉強になります。

 

参考資料

中医臨床大系 傷寒論 人民衛生出版社

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