こんにちは。大濱です。
先週に引き続き、足三里について
調べたことを書いていきます。

< 臨床応用 >
水気凌心
脾の運化と胃の納穀が正常であれば、
清気は昇り、濁気は降り五臓六腑を滋養する。

脾胃の弱りから、
清気が下にあれば、穀は完全に化せず拙瀉し、
濁気が上昇すれば、胸肋滞り脹満する。
清濁がお互い侵せば、中焦失調して
上に吐き、下に瀉す。

胃内停水があり、
停滞した水湿が水邪となり、
胃気が上逆して、上焦の心を犯す。
心を圧迫する水気凌心(奔豚病)や、
水邪が清竅を犯して起こる頭痛などに、
足三里(補)と陰陵泉(瀉)を用いることで、
脾胃の水質運化機能を活性化させ水邪を除く。

また、傷寒論にも、太陽病に誤って吐法を行い
中焦が傷ついて飲邪が上衝した場合について記されています。

『傷寒論 第六七条』
傷寒、若吐若下後、
心下逆満、気上衝胸、起則頭眩、脉沈緊、
発汗則動経、身為振振摇者、
茯苓桂枝白甘草湯主之。

茯苓桂枝白甘草湯は、水を抑え、陽を制して
中を固めて上衝したものを降ろす。
治則は健中行水、理気降逆であり、
中焦陽気が盛んになれば、
陰、寒、気が上逆して侵すことはなくなる。

 

今回は足三里のことを調べた延長上に、
水気凌心の記載が見られたので、
一緒に調べてみました。
臨床で必ずし足三里を用いなければならないということではありませんが、
足三里の反応も伺いながら
現場で活用できれば良いと思います。


《参考文献》
『臨床経穴学』 著:李世珍
『穴性学ハンドブック』 著:佐藤弘 伴尚志
『臓腑経絡学』 著:藤本蓮風
『傷寒論 鍼灸配穴選注 【改訂版】』 著:単玉堂


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