こんにちは。大濱です。
百会の穴性を勉強していきます。
百会は、
足太陽、手足少陽、足厥陰、督脈の会
である記載もあり、「三陽五会」とも呼ばれる。
「針灸大成」では
「手足三陽、督脈の会」と解説している。
百は「もろもろ」の義。
百会は百脉の聚会する所の義。
別名:「鬼門」「泥丸宮」「巓上」「天満」など
百会は一身の陽気の最高点といえる。
【泥丸宮】
人体の精神活動の中心でもあり、
道家修練では、泥丸宮は上丹田宮とみなされ、
内丹を修練する重要な部位。
泥丸宮を修練することで、熄風醒脳、昇陽固脱の効果が得られ、
督脈、神志、気虚陥没などの病気の治療に役に立つと言われる。
※ 百会が泥丸宮の位置と合するか否か、文献により異なります。
< 効能 >
○ 熄肝風・祛風散邪・醒厥逆
◯ 挙陽気下陥・昇陽益気
◯ 清脳通督解痙
< 治療範囲 >
頭は「諸陽の会」であり、
頭項部に位置し諸陽の経に通じているため
清陽の気は上に充ちる。
熱があれば、清竅利せず。
頭暈、耳鳴、口苦、咽の乾きを生ずる。
肝風を熄め、肝陽を潜め、陽気の下陥を挙げ、
陽明の燥熱を清め、上焦の風熱を散らす。
百会は、督脈の病,神志病,
肝火、肝陽、肝風上擾、邪熱上攻、外感風邪
による頭部疾患を主治、
気虚下陥を治療する際の常用穴でもある。
1.下陥病証
督脈は、手足三陽経と連絡しており、人体の諸陽経を統括している。
諸陽脈の督綱と称されており、
全身の陽気を統摂する作用がある。
手足三陽経脈は、すべて督脈の百会穴にて交会しているため百会は諸陽各経を貫通することができる。
昇陽益気(全身の気を持ちあげる、下陥した清陽を昇らせる)という作用がある。
中気不足、気虚下陥によりおこる病証
精血、精気が脳に到達しない病証
気随血脱、血随気脱によりおこる病証
陽気暴脱証は治療範囲に入る。
2.風邪病証
風は陽邪である。
その性は軽揚であり頭頂まで及ぶ。
風の侵犯をうけると,まず上が先に影響をうける。
「あるいは風に針するは、先に風府百会に向ける」と『行針指要歌』で述べている。
邪熱上擾、風熱上攻、風寒束絡による
頭部疾患を治療することができる。
3.督脈,頭頂部および神志病
『素問』骨空論篇では
「督脈の病たる、脊強し反折す」
『難経』二十九難では
「督の病たるや、脊強くして廠す」
と述べている。
肝火、肝風、肝陽が頭頂部に上擾しておこる病証、
督脈と関係する病証や神志病などの治療に。
百会に関しては、まだまだ調べたい内容が多く、
臨床と勉強を重ねていきながら
間を置いて其のニで書いていきたいと考えています。
つづく
《参考文献》
『臨床経穴学』 著:李世珍
『穴性学ハンドブック』 著:佐藤弘 伴尚志
『中医臨床』
『鍼灸治療基礎学』 著:代田文誌