こんにちは。大濱です。
今回は膈兪について書いていきます。

< 要穴 >
足太陽膀胱経 背部兪穴
八会穴 血会

血気の集まるところであり、
膈膜(上焦の心肺と汚濁の臓器である臓腑の境目)
と連絡している事から穴名が由来する。

 

< 膈膜 >
「上膈属肺」の「膈」とは膈膜のことである。
上焦の心・肺は臓腑の中で最も清浄な位置にあるとされている。
中焦、下焦にある胃・脾・大腸・小腸等は、
飲食物を水穀の精微に化す働きをしており、
飲食物から出る濁気によって
上焦の心肺が侵されないように
膈膜が遮る役割を果たしている。

『膈膜在心肺之下,前齊鳩尾,後齊十一椎,
周囲著脊脇腹,如幕不漏以遮蔽濁気使不上薰於心肺也。』

膈膜は心肺の下に在りて、前は鳩尾としく、後は十一稚と齊し。
周囲は脊脇腹に著き、
幕の如く漏れずして以て濁気を遮蔽し、

上りて心肺に薫ぜさらしむなり。(「医学原始』気海膈膜図)

 

< 効能 >
○ 理血→活血化瘀・補血
◯ 寛中和胃・降逆止嘔

 

<治療範囲>
肺,脇助部,食道,胃などの一部の病証、
上半身の血証の治療に用いられる。

心肝肺の一部の血証、胸膈、胸肋病
心兪の下、肝兪の上に位置し、
心は血脈を主り、肝は蔵血する機能を有する。
その中間に位置する膈兪は、
心肝の影響から血の会穴となる。

『難経』四十五難に「血会鬲兪」とあり、
本穴は血の会穴である。
本穴の内部には肺臓があり、
本穴を用いると心・肝・肺の一部の血証
胸郭部、脇肋部、食道、胃の疾患を治療することができる。

中焦から上の上焦における血虚あるいは血瘀。

鳩尾から胸にかけての胸痞、
中焦における脾胃の昇降作用失調による、
嘔吐と泄瀉をするような症状。
上焦における湿痰を治す。

『経穴纂要』を模写しながら勉強しました。

《参考文献》
『臨床経穴学』 著:李世珍
『穴性学ハンドブック』 著:佐藤弘 伴尚志
『経穴解説』 藤本 蓮風 著
『臓腑経絡学ノート』 藤原蓮風 著
『中国医学の身体論』  浅川要 著
『中医臨床』 第34巻第3号
『中医臨床』 第35巻第4号

 

 

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