今回から五味のうち、鹹味(かんみ)の性質について書いていきます。

中医臨床のための中薬学 P 23

「下・軟に働き、一般に鹹味(塩からい)の薬物は軟堅・散結・瀉下などの効能をもつ。」

とされます。

軟に関しては、固まったものをほぐしてくれる作用があります。

自身の実験として、昔に運動中に怪我をして膝にケロイドができてしましました。

だいぶ時間が経っていましたが、これを治せるかとアレコレ試してみました。

その中で牡蛎の鹹味による軟堅散結を期待して使った際、硬かった塊がとても柔らかくなった記憶があります。

金匱要略講話 P493

「寺師 桂枝茯苓丸に薏苡人と土別甲を入れるのはどうでしょう。

大塚 それを入れた場合がいいかどうか、はっきりしませんが、長い間かたまりがあったという場合には土別甲を入れた方がよいように思いますね。」

こちらも仰られている事は同じだと思います。

膝のケロイドの話に戻ると、その状態で活血剤を組み合わせると活血剤単独で動かなかったものも動き小さくなりました。

婦人科疾患などでも体内で同じ事を起こしているんじゃないかと思っています。

 

参考資料
中医臨床のための中薬学 神戸中医学研究会編著 東洋学術出版社
金匱要略講話 大塚敬節主講 創元社

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