下野です。
六腑の一である胆。
臓の肝との表裏関係にあるため、
病理関連の書籍を読んでいても
肝との親和性が高く、
臓腑のイメージも非常に似かよってくるところがあります。
また古代の哲学書を見ていても、
胆は勇ましい、勇猛なる意味合いで書かれており、
医学面以外でも肝と似ていると考えられていたと思われます。
ただ、胆は「決断所出」ながら、
「中精之腑」や「清浄之腑」と言われ、
『素問』六節蔵象論篇には
「胆気が上昇することで、
他の十一臓腑の気が上昇する」
と訳される一文もあり、
現代中医学の考える
肝の疏泄・条達とは異なったイメージを持てるのではないでしょうか。
肝との親和性もそうですが、
他臓腑との親和性はどうなのか、
またあまり論じられていない『奇恒の腑』なる所以等など
再度考える必要性の高い腑であると思われます。
臨床面と学術面、
これから少しずつ検証していこうと思います。