どうも、新川です。
鍼灸というと、
鍼を刺す、灸をすえるなどの手技・施術に目が行きがちですが、
やはり重要なのは見立て、
病の本質がどこにあるかを見極めることが出来ていなければ、
術として成立しなくなります。
昔々の話。
『春秋左氏伝』襄公二十一年からの一節。
薳子馮という人が、
楚という国の宰相に推薦されるも、
その要請を辞退するために
氷の上に寝て、衣服を重ね、食事を減らし詐病を装った。
(よっぽどですよね)
薳子馮を診断した医者が述べるに
「而血氣未動」([痩せてしまわれてはいますが、]血気はまだ変動してませんよ)
ということで、
外形にとらわれず血気の状態をみて、
詐病を見破ったわけです。
本質を見極めるという意味では、
なかなか核心をついたエピソードのように思います。
事前の情報、先入観に左右されずに。