<当院でのコロナウイルス対策のご案内>
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こんにちは、大原です。
口から入った飲食物は、
脾胃の働きによって
水穀の精微に化生され、
気血に化生されて全身に行きわたって栄養し、
残りの一部は腎に納まって腎精を補充すると
中医学(東洋医学)では教わります。
書籍によっては、
水穀の精微を「水穀の精」として、
「後天の精」と同じものであるとしたり、
また、先天の精を充養して腎精を補充するものだけを
「後天の精」とする場合もあります。
(『新版 東洋医学概論』『基礎中医学』より)
ですが、飲食物からは、気血の源である
水穀の精微(または水穀の精)が
できる(化生される)という点は共通しています。
さて、この水穀の精微(または水穀の精)は
どのようにして血となるのでしょうか?
古典には、次のように書かれています。
①『霊枢』決気篇(30)より
・中焦受氣取汁、変化而赤、是謂血。
(中焦、気を受け汁を取り、変化して赤く、これを血という。)
②『素問』經脉別論篇(21)より
・食氣入胃、散精於肝、淫氣於筋。
食氣入胃、濁氣帰心、淫精於脉。
(食気胃に入り、精を肝に散じて、気を筋に淫す。
食気胃に入り、濁氣心に帰し、精を脈に淫す。)
①の「中焦」は脾胃のことで、
②の「淫」とは、ここでは「次第にしみ込んでいく」
という意味になるようです。
(『現代語訳◉黄帝内経 素問』、『鍼灸医学大成』より)
この素問、霊枢の内容から
『中医病因病機学』では、
「飲食物が気血に化するためには、
脾胃が水穀の精微を受けてそれを心に上げ、
心がその精微を変化させることによって
はじめて血ができる」と説かれています。
臓腑の働きについて深掘りしますと、
五臓の脾の作用として、
血とかかわるものとしては
「血」を総べる作用、
「血」を生む作用で
心の作用として、血とかかわるものとしては
「血脈を主る」作用であると
学校の授業で教わります。
この、心の「血脈を主る」の意味は、
血を循行させる・運行させる
ということであると学校では教わりますが
(『新版 東洋医学概論』)、
中医学の基礎の、他の書籍によっては
上述の血の生成にも関わるという
意味が含まれるとされています。(『基礎中医学』)
先ほどの古典の文章など、
学校の教科書以外にも
いろいろ文献を確認していくと、
血が生成されるためには
脾以外の臓腑も
血の生成に大きく関わっているという記述が
あることが分かります。
続きます。
■参考文献
『基礎中医学』 燎原
『新版 東洋医学概論』 医道の日本社
『中医病因病機学』 東洋学術出版社
『現代語訳◉黄帝内経素問 上巻』東洋学術出版社
『鍼灸医学大系 黄帝内経霊枢』 雄渾社
『CASIO EX-word DATAPLUS7』(電子辞書)
興味があおりでしたら、ぜひ参考文献もお読みください。