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こんにちは、大原です。
前回は小腸の病についてでした。
(前回:霊枢「邪気臓腑病形篇(第4)」より六腑の病②
さて今回は三焦についてです。

<原文読み
三焦
病者、腹氣滿、小腹尤堅、不得小便。
(三焦の病の者は、腹気満ち、小腹もっとも堅く、小便することを得ず。)

窘急溢則水留、即為脹。
きん急していっすることきはすなわち水留し、即ち脹を為す。)

候在足太陽之外大絡。
(候は足の太陽の外大絡に在り。)

大絡在太陽少陽之間。
(大絡は太陽少陽の間に在り。)

亦見于脉。取委陽。
(また脈にあらわる。委陽に取る。)

<意味>
三焦の病の症状は腹部に気が停滞して脹満し、
とりわけ下腹部が堅く、小便することができません。
周囲から取りまかれてひきしめられるようになって水があふれてくると、
水分が滞って脹となります。
その徴候は足の太陽膀胱経の外側の大絡上に出現いたします。
大絡は足の太陽膀胱経と足の少陽胆経との間にあり。
また経脈にもあらわれます。
この場合には、三焦の下肢にある合穴すなわち
膀胱経の委陽の穴を取って刺鍼いたします。
(『鍼灸医学大系⑭ 黄帝内経霊枢 第1〜第4』P.506〜 より抜粋)

一行目に「小腹もっとも堅く」とありますが、このもっとも」の意味は
「最も」ではなく
とりわけ〜になる」という意味になるようです。

二行目の窘急きんきゅうして」は、
窘:周囲を取りまかれて動きが取れないこと
急:引きつけられること
周囲から取り囲まれて引きしめられるような苦しみ
という意味となるようです。

三焦とは具体的にどこを指すのか
イメージが涌きにくい腑ではありますが、
水分が滞る
また、太陽膀胱経の外側の大絡上に出現する
あたりがポイントと思います。

続きます。


近鉄線の車窓から
近鉄線の車窓から

■参考文献
『鍼灸医学大系⑭ 黄帝内経霊枢 第1〜第4』 雄渾社
『CASIO EX-word DATAPLUS7』(電子辞書)

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