<近日開催予定のイベント情報>
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こんにちは、大原です。
前回(鍼灸甲乙経を読む その40)
の続きです。
<原文>
曰
「六氣者、有餘不足、氣之多少、腦髓之虚實、血脉之清濁、何以知之?」
曰
「精脱者、耳聾。
氣脱者、目不明。
津脱者、腠理開、汗大泄。
液脱者、骨屬屈伸不利、色夭、腦髓消、脛痠、耳數鳴。
血脱者、色白夭然不澤、其脉空虚。此其候也。」
曰
「六氣貴賎何如?」
曰
「六氣者、各有部主也。其貴賎善惡可爲常主、然五穀與胃爲大海也。」
<読み>
曰く
「六氣なる者、有余不足、氣の多少、腦髓の虚実、血脉の清濁、
何をもってこれを知るか?」
曰く
「精脱する者は耳聾す。
氣脱する者は目明らかならず。
津脱する者は腠理開き汗大いに泄す。
液脱する者は、骨屬の屈伸利せず、色夭し、腦髓消し、脛痠し、耳數鳴る。
血脱する者は、色白く夭然として澤ならず、その脉空虚なり。
これ其の候なり。」
曰
「六氣は、貴賎はいかん?」
曰
「六氣なる者、各部主ある也なり。
その貴賎善悪は常に主たるべく、
然して五穀と胃とは大海をなすなり。」
<意味>
「六気の貴賤はどうか?」
「六気にはそれぞれその存在部位と其れを主る臓器とがございます。
つまり六気にはそれぞれの担任する持場と時期とがあるわけであります。
従って全般を通じての貴賤善悪などというものはありません。
その担任する部位、時期に応じて主人公となり、
また従者となるのであります。
それでも五穀と胃は水穀の海で全般の栄養に関係がありますので、
常に衰えさせてはなりません。
」
以上で、甲乙経1巻の第12篇
「陰陽・清濁・精気・津液・血脈」を終わります。
参考文献
『黄帝内経霊枢』 東洋学術出版社
『鍼灸医学大系 黄帝内経素問』
『鍼灸医学大系 黄帝内経霊枢』雄渾社
『完訳 鍼灸甲乙経(上巻)』三和書籍
『基礎周囲学』 燎原
興味のおありの方は、ぜひ参考文献もお読みください。