鍼灸甲乙経を読む　その12

2019年7月22日

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こんにちは、大原です。
前回同様、『鍼灸甲乙経』を読んでいきます。
五臓の状態を観察する方法についてで、
今回は肝についてです。

＜今までの「鍼灸甲乙経を読む」過去記事＞
鍼灸甲乙経　巻之一
　第1 精神と五臓
　　●その1 前半
　　●その2 後半
　第2 五臓の五変と五腧
　　●その3 全文
　第3 五臓六腑の陰陽表裏
　　●その4 全文
　第4 五臓と五官
　　●その5 前半
　　●その6 後半
　第5 五臓の二十五変と六腑の関係
　　●その7 総論、心
　　●その8 肺、肝
　　●その9 脾、腎
　　●その10 心の状態の観察
　　●その11 肺の状態の観察
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（前回の続き）

＜原文＞
青色小理者肝小、
粗理者肝大。
廣胸反骹者肝高、
合脇兔骹者肝下、
胷脇好者肝堅、
脇骨弱者肝脆、
膺脇腹好相得者肝端正、
脇骨偏擧者肝偏傾。

＜読み＞
青色小理なる者は肝小なり。
粗理なる者は肝大なり。
廣胸反骹（こう）の者は肝高し。
合脇兔骹の者は肝下し。
胷脇好き者は肝堅し。
脇骨弱し者は肝脆し。
膺脇腹よく相得る者は肝端正なり。
脇骨偏擧なる者は肝偏傾するなり。

胷（きょう）：むね。『霊枢』では「胸」となっており、同じ意味である。
骹（こう）：すねの骨、すなわち脛骨をいう。
→これでは意味が通じない。「骹」ではなく、肋骨を意味する「骱」の誤りだと思われる。

＜意味＞
皮膚の色が青色を帯びており、かつ肌目の細かいものは肝が小であり、
肌目の荒いものは肝が大である。
胸の幅が広く、肋骨が外の方に張り出しているものは肝の位置が高く、
両脇の間が狭く、肋骨が扁平で狭いものは肝の位置は低いです。
胸や脇の均整がとれて格好の良いものは、肝が端正であります。
脇骨が一方に偏り飛び出しているようなものは肝が偏傾しているのです。