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こんにちは、大原です。
前回の続きで、
今回から中暍(ちゅうえつ)という症状についてです。
これは、現代の日射病にあたるようです。
<条文2-26>
太陽中暍。發熱惡寒。身重而疼痛。
其脉弦細芤遲。小便已洒洒然毛聳。手足逆冷。
小有勞。身即熱。口前開板齒燥。
若發其汗。則其惡寒甚。
加温鍼則發熱甚。數下之則淋甚。
(読み)
太陽の中暍は、発熱悪寒し、身重くして疼痛す。
その脈、弦細芤遅、小便し已って洒洒然として毛聳え、手足逆冷す。
小しく労あれば身即ち熱し、口開けば前板の歯燥く。
若し其の汗を発すれば則ち其の悪寒甚だし。
温鍼を加うれば則ち発熱甚だし。
数これを下せば則ち淋甚だし。
日射病の症状が述べられており、
体液が損耗して虚証となっているので、
発熱、悪寒、身重、疼痛などの症状があっても
発汗剤で発汗せしめたり、温鍼を加えて発汗せしめたりしてはならない。
小便がすむと、寒くてふるえ、毛が立ち上がり、手足は冷える。
少し動くと身体が熱くなり、口をあけると前歯が乾燥する。
もし発汗剤を用いると寒気がひどくなり、
たびたび下剤を用いて下すと小便の淋瀝(りんれき)がますますひどくなる。
また、太陽経脈は皮毛と膀胱に連なっているので、
太陽経の陽気不足があると排尿後にゾクッと寒気がして髪の毛が逆立ち、
手足が冷えるという解説もありました。
小便をした後にブルッとくるのと関係がありそうです。
また、暑熱は気を損傷し、気が損傷することで陽虚となるという解説もあります。
熱邪と陽気はどちらも陽に属しますが、
臨床的に
この2つを混同せずに診ることが重要ですね。
続きます。
<参考文献>
『金匱要略講話』 創元社
『金匱要略も読もう』 東洋学術出版社
『中医臨床のための中薬学』 神戸中医学研究会
『中医臨床のための方剤学』 神戸中医学研究会
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。
大原