<近日開催予定のイベント>
3月20日(火)19時〜 または 3月22日(木)13時〜
「素問を読もう!」勉強会のお知らせ
どうも、新川です。
今回は関元穴を解説致します。
※経穴の効能に関しては、あえて言及せず、
ここではなぜそのツボがその名称になったのかなどをお伝えしたいと思います。
【関元(任脈)】
●関元の別名
関元と聞いて、
「はいはい、あそこね」とパッと思いつく方は少ないと思いますが、
丹田と聞くと、
「お臍の下らへんのことかな」となるのではないでしょうか。
関元穴は、その丹田を含め実に多くの別名を持っております。
次門、丹田、大中極、下紀、血海、命門、血室、腋門、昆侖、
三結交、大海、溺水、太(氵+困)、持枢、五城、脖胦、下肓、
気海、精露、利機、子宮、子腸、子戸、子処、産門、胞門、肓之原 など(!)
これだけあるということは、
それぞれに由来する役割や、はたらきがあるということでしょうか。
●「関」の意味
形声
門と、音符「幺幺+丱」(つらぬく意→貫)とから成り、
門をとざす「かんぬき」、ひいて、関所の意を表す。
①かんぬき
②せく(塞)。とざす。しめる。
③せき。関所。
④からくり。しかけ。「機関」
⑤かかわる。あずかる。よる。
⑥もうす
⑦関関→鳥のなごやかな鳴き声のさま。
また「ワン」と読む場合には
・ゆみに矢をつがえる
という意味もある。
大きくとらえると、
やはり関所、要所の意味合いが強いようです。
以前、掲載した
【漢字解説】期門穴
の「門」の解説と比較してご覧いただくと面白いかもしれません。
●「元」の意味
会意
「儿」と、その頭部を示す「二」とから成り、
人の頭、ひいて、おさ、「もと」などの意を表す。
①こうべ(首)
②おさ。かしら。
③君主
④元 同義語:原
(ア)根本。本原。「根本」
(イ)もとで「元金」
⑤はじめ。物事の最初
⑥一、第一。
⑦よい。最善。最上。
⑧おおきい。
⑨天。
⑩人民。
⑪元元
→①おおもと。原始。根本。
②庶民。万民。よい、または、愛すべき民の意という。
③初めを初めとする。本源にさかのぼる。
など
この中で
④元 同義語:原
という説明から、
経穴の解説書などでは、
「元気」と捉えることもある。
⑪元元 のところで、
「元元本本」漢書・叙伝より
「一切合切,始めから終わりまで」とあり、
根本というイメージよりも
延々とループするようなイメージが与えられます。
こちらも捨てがたい意味ですね。
参考文献:
『黄帝内経素問 上巻—現代語訳』
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』
『黄帝内経素問 下巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『鍼灸医学事典』 医道の日本社
『新字源』 角川書店
『図説 漢字の成り立ち事典』 教育出版
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
いつも このツボにお灸をされた
コメントありがとうございます☆
術者それぞれに理念があり、
それを基に施術を行いますので、
鍼灸師によってやり方は変わってきますね。 新川