徐霊胎(ジョ レイタイ)
は江蘇省呉江出身で
清代に活躍した著名な医者です。

名は大椿、晩年は洄渓老人などの名前がある。
(中国で「老」という文字は、「年寄り」という意味ではなく、
「成熟」や「熟練」といったプラスの意味で使われることが多いです)

著作は非常に多く
蔵府経絡を明らかにするという目的で『難経注釈』
さらに薬性を理解するために『神農本草百種録』
治療には根拠がいるという事を記した『医学源流論』
また当時乱れた傷寒論の解釈を正すとして書かれた『傷寒論類方』
病の分類や経方を説いた徐霊胎の代表作『蘭台軌範』
などなど多岐に渡ります。

徐霊胎の特徴として
生涯、漢唐の時代の医学
つまりは『黄帝内経』『難経』
加えて『傷寒雑病論』『千金要方』『外台秘要』
などの著書を医学の本流とし
宋や明の時代の医家たちを批判し続けた。
(金元の伝統医学を廃して『傷寒論』に
戻ろうとした江戸の医家・吉益東洞にも
同じ原点回帰の思想が見られます。
ただしその流れは必ずしも同じではなく、
その違いについては後に
見ていくこととしましょう。)

それでは彼が批判し続けた
宋と明の時代の伝統医学の弊害
とはなんなのでしょうか?

 

つづく

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参考文献
『中医伝統医学の系譜』東洋学術出版

黒王号?
黒王号?

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