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下野です。
では前回に引き続き
『備急千金要方』「大医精誠第二」の記事になります。
【原文】
張湛曰:
夫経方之難精、由来尚矣。
今病有内同而外異、亦有内異而外同、
故五臓六腑之盈虚、血脈営衛之通塞,
固非耳目之所察、必先診候以審之。
而寸口関尺有浮沈弦緊之乱、
腧穴流注有高下浅深之差、
肌肤筋骨有厚薄剛柔之異、
唯用心精微者、始可与言於兹矣。
今以至精至微之事,
求之於至粗至浅之思,豈不殆哉。
<第三回に続く>
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【書き下し文】
張湛曰わく、
夫れ経方の精なり難きは、
由来させること尚しきなり。
今病内に同じくして外に異なる有り、
亦内に異なり外に同じく有り、
故に五臓六腑の盈虚、
血脈営衛の通塞、
固より耳目の察するところに非ず、
必ず先ず候を診て以て之を審らかにす。
寸口関尺に浮沈弦緊の乱れ有り、
腧穴流注に高下浅深の差有り、
肌肤筋骨に厚薄剛柔の異なる有り、
唯心を用いること精微な者、
始めて与に兹を言うべき。
今 至精至微の事を以て、
之を至粗至浅の思いに求めれば、
其れ殆ふからざらんや。
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上記を私なりに現代語訳してみます。
張湛が言うには、
昔から、経方に精通するのは難しい。
病は内が同じでも外が異なり、
内が異なっていても外は同じというのも有り、
五臓六腑の盈虚、
血脈営衛の通塞など
耳目だけで察することはできず、
必ず細かく診察しないといけない。
脈の寸口関尺に浮沈弦緊の乱れが有り、
腧穴流注に高下浅深の差が有り、
肌肤筋骨に厚薄剛柔の異なりが有る。
心を用いる精微な者が、
始めて兹を言うことが出来る。
非常に繊細な事に、
雑な思いで求めるならば、
危ういことではないか。
というところでしょうか。
簡単に言えば
「経方は難しい。
病を診るときは、
聞診、望診だけではなく、
脈を診たり、体を触ったりと
色々と総合的に診ないといけない。
診断を下すのは、
非常に繊細なことであるので、
雑な思いでやれば危険だぞ。」
となります。
また次回、この続きを書いていきます。
<参考文献>
『備急千金要方』 中国医薬科技出版社
『中国医学の歴史』 東洋学術出版社
『まんが中国医学の歴史』 医道の日本社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
下野