去る9月11日(日)に開催いたしました
「第3回東洋医学講座 秋の季節の養生」は、
講義中、参加者の皆さんから
多くのご質問やご感想等を頂くなど
大盛況の内に幕を降ろしました。
講座の最後に
参加者の皆さんにアンケートをご記入いただき、
その中のご質問について
以下に回答させて頂きたいと思います。
Q.1
「体の冷える食品(例えば牛乳等)」を食べると
『胃腸が弱ってきて湿気になる』とのことでしたが
湿気が体に入ってくると
どのようなことがあるのでしょうか?」
(アンケートの本文ママ)
A→
「体の消化・吸収の機能がしっかりしていれば、
冷たい牛乳などを多少とっても
体にとって余分な水分などはしっかり排泄されていきますが、
食生活が乱れていたり体が疲れたりして
消化・吸収の力が弱くなっていると、
余分な水分などが排泄されにくくなり、
体内に停滞してしまいます。
この停滞した水分を「湿」といい、
以下のような症状がおこりやすくなるとされています。
・体が重い・だるい、
・疲労感、
・胃もたれ、食欲不振
など
また、湿が胸部に停滞すれば胸が痛んだりするなど、
湿の停滞の仕方によって
症状が様々であるともされています。
ちなみに、飲食物によって
体内に溜まった水分などを『内湿(ないしつ)』といいます。
(『内湿』に対し、
雨天などの天候によって体に影響する
外気からの湿を『外湿』といいます。)」
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Q.2
「『季節と体の関係』や『正気(せいき)の話』が
ためになりました。
その中の『睡眠時間』について教えてください。」
(アンケートの本文の内容から)
A→
「『正気』とは、広くは
『人体を構成する物質・生理機能(生命力)、抵抗力』をいいます。
講座では、この中の、
秋の急激な気温に対する人体の『抵抗力』という意味合いで
説明させて頂いたように思います。
睡眠時間が短くなったり、飲食が乱れていたり、
疲労がたまっていたりすると
体の抵抗力が低下してしまいます。
抵抗力が弱くなると(=『正気』が減少すると)、
深まる秋の急激な冷えに対して
体が防御しきれなくなり
冷えが入り込んで
風邪をひいてしまったりすることになります。
ちなみに『正気』という言葉に対して
『邪気』という言葉が用いられますが、
この例の場合、急激な冷え込みが『邪気』となります。
正気すなわち抵抗力が落ち込むと
邪気にやられてしまいやすくなるので、
睡眠時間が減って睡眠不足になると
秋の冷え込みに負けて
風邪をひきやすくなるということになります。」
続きます。
回答文を作成するにあたり、
以下の文献を参考にさせて頂いております。
『基礎中医学』 燎原
『中医病因病気学』 東洋学術出版社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。