中医学の病名にそった皮膚疾患の分類を紹介します
瘡(皮外に属するもの)
癬
形が不定で、比較的乾燥している。
センの境目がはっきりしている。
掻痒感がある。
乾癬、尋常性乾癬、神経性皮膚炎(牛皮癬)、湿疹(湿癬)、真菌感染などに相当する。
疥
掻痒感が強く、散在的に小さく発疹する。
丘疹、湿疹、皮膚掻痒症などに相当する。
瘡
狭義の瘡で、皮膚が化膿して、痛痒の症状がある。
膿疱瘡、慢性湿疹、しもやけなどに相当する。
風
遊走性を持ち、痒みが強い。
アトピー性皮膚炎(肘・膝の裏に症状があらわれるものを四弯風という)などに相当する。
丹
丹は赤を意味し、皮膚の赤味が強く、痛みがある。
丹毒、帯状疱疹などに相当する。
瘍(皮内に属するもの)
癰
癰は雍と同意で、
急性化膿の症状である。
局部が紅腫熱痛する特徴がある。
体表の急性化膿性疾患、蜂窩織炎、急性リンパ腺炎などがこれに相当する。
疸
陰毒(熱をともなわない毒邪)により気血不通となった状態をいい、
冷性腫瘍ともいう。
骨髄炎などがこれに相当する。
疔
病変の形状は細い釘状で、深部に入り込む。
面疔、急性リンパ腺炎(紅絲疔)などに相当する。
節
疾患部は浅く、化膿しやすいが治りやすい特徴がある。
にきび、吹き出物などに相当する。
瘰癧
頚部に多発する特徴がある。
小さいものを瘰、大きいものを癧と呼ぶ。
結核性リンパ腺炎などがこれに相当する。
皮膚疾患の弁証は、皮膚局部の症状に重点をおいて観察し、
その病因病機を把握する。
(東洋学術出版社『いかに弁証論治するか』より抜粋)