<近日開催予定のイベント>
8月20日(日):第五回、鍼灸学生の為の勉強会〜【医古文・漢文の読み方No.2】〜
この傷寒論のシリーズは、
当院の修行生によって毎週、水曜日の早朝に開かれる、
自主的な勉強会におけるメモ・備忘録となります。
古典の専門家によるものではなく、
一から学ぶ者の新鮮な目線を共有出来れば幸いに思います。
8/9(水)
太陽病中篇より
(113条)
形作傷寒、其脉不弦緊而弱、弱者必渇、被火者、必譫語、弱者発熱、脉浮解之、当汗出愈。
本条文の内容は、
傷寒の病にかかったときのような弦緊の脈ではなく、
弱い脈である場合は、必ず「渇」の状態がある。
熱が裏にあるためであり、
火を用いた治療を行うと、うわごとの症状が現れる。
このような弱い脈を呈して、発熱し、脈が浮いているときは
陰液が消耗しない程度に汗をかかせてやれば癒える
というものである。
脈の状態が「弱」というのは、現代中医学でいう「弱脈」ではなく、
単に、弦緊のような強い脈ではない、ということであろう。
また、傷寒論の6条にも温熱の邪に侵された場合の
脈や症状についてが述べられており、
陰陽ともに浮の脈で、「渇」であるということが合致している。
ある解説では、この条文の症状は
表寒裏熱を表しているとし、
27条に出てきた桂枝二越婢一湯を用いて
汗を少し出させると治るということが書かれている。
(114条)
太陽病、以火薫之、不得汗、其人必躁、到経不解、必清血、名為火邪。
本条では、113条で火による治療を戒めたが、
もし火を用いてしまうと
病が癒える条件である汗が出ず、
「躁」すなわち陰液が不足した状態になるとある。
8条で経を一周すれば病が癒えるとあるが、本条では、
このような状態では経を一周しても病は解けず、便血するという。
熱気が血に迫って下行するためであると千金翼方にある。
本条では、この熱気を火邪であるとしている。
(続く)
参加者:下野、新川、大原、盧